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書評:「悪霊」著者 ドストエフスキー【ネタバレあり】

江川卓訳のこの本を購入したのは今から10年も前であります。

 

悪霊 (上巻) (新潮文庫)

悪霊 (上巻) (新潮文庫)

 

 

 

悪霊 (下巻) (新潮文庫)

悪霊 (下巻) (新潮文庫)

 

 

文庫の発行年月を見ると平成18年とあり

10年もの間、積み上げっぱなしにしていました。

何故かを簡単にいえば、読みづらかったからです。

 

ドストエフスキーは中学生ぐらいの頃に

罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」を読んだのですが

それから成人して、この「悪霊」に手を出そうとしたわけです。

 

ただ当時の僕は上巻を読みはじめてすぐに

「なんじゃこの読みづらさと、わくわくしない展開は」

と思い、耐えきれず中断したわけです。

その後10年の間に何度か挑戦しては断念するを繰り返したと思います。

そのおかげで上巻の表紙はなくなり、ボロボロになりました。

下巻だけはピカピカのまま家にありました。

 

さて来年イギリスに行くとなると、家にある読んでいない本は

なるべく全て読んでしまおうと思い立って

「これ読むのしんどいんだよなー」と避けていた作品ではありますが、

なんとか読もうと決意したのが1ヶ月前。

そして先程読み終えたわけです。

 

結論から言うと、やっぱり読みづらかった。

悪霊はドストエフスキーの中でも重要な作品のようですが

罪と罰」なんかと比べると格段に登場人物が多い。

おまけに登場人物を名前で呼ぶケースと

名字で呼ぶケースが混在しており余計に錯乱させられる(笑)

 

そしてドストエフスキーっぽく回りくどい表現がめちゃくちゃ盛りだくさんで

率直に申し上げてストーリーを把握しづらいのです。

おまけに1850ー1860年ごろのロシアについて

多少の知識がないと、「なんでこいつらこんなことしてんの?」

という率直な疑問ばかりがでてきるわけです。

 

 

上巻ではワルワーラ婦人とステパン氏という

キャラの濃い二人を中心として、

ロシアのそこそこ上流階級の生活が描写されていきます。

 

そこで彼らの関係の中でたくさんの登場人物が出現し、

後半の様々の事件や陰謀に向けての、周辺事情が描かれます。

 

この物語は上下巻で1500ページぐらいあるのですが

残り300ページで描かれる様々な陰謀と破滅のために

1200ページぐらいで登場人物の事情や思想だとか関係性が描写されるため

とにかく一気に読んでしまうのが肝心かと思われます。

 

最初読み始めると、ワルワーラ婦人とステパン氏が主人公かなと思うのですが、そうではなく上記二人のそれぞれの息子

ワルワーラ婦人の息子スタヴローギンと

ステパン氏の息子ピョートルが物語の中心なわけです。

 

読み終えた後で、悪霊のwikiを見たんですが早く読み終えようとしたばかりに、見落としていることが、いくつかあったんだなあということに気付かされました。

 

タイトルの悪霊はスタヴローギンに取り付いている無神論などのことを表現しているようですが

僕の解釈ではピョートルにも取り付いているんじゃないかと思いましたね。

ステパン氏の息子ピョートルは下巻のさらに後半で様々な陰謀を駆使して殺戮を行い、露見した後、消息を絶ちます。

 

スタヴローギンとピョートルに関わった取り巻きは

ほとんどが悲劇的な最後を迎えます。

スタヴローギン自身も破滅するわけですがそこにたどり着くまでの長々しい描写は僕を疲れさせてくれましたよ。

 

10代の頃に読んだ「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」は

素晴らしい余韻を残してくれたのですが

「悪霊」についてはひたすら疲れさせてくれた上に、見落としがあったことを気付かされてなんせブルーになりました。

 

あと後半200ページほどに様々な人物たちの破滅をまとめて持ってきてくれたため、「はえーよ」としか思えませんでしたね。

「お前も破滅かい」「と思ったらお前もかい」的な😂。

どんだけ罪深いんだよロシアはと。

 

ただ、ドストエフスキーはキャラを立てるのがすごくうまい。

カラマーゾフの兄弟」では三兄弟が漫画のようなキャラわけで

末っ子のアリョーシカが男の子とは思えない萌えっぷりだったのを記憶しております。

 

今回もステパン氏のキャラが異常に立ちまくっててそこは関心しましたね。

 

ただ僕はこの作品のせいで長らくドストエフスキーから遠ざかった上

今後もしばらくは他の作品に手をつけないだろうなあ。

 

この作品は僕にドストエフスキー離れという悪霊を憑けてくれたわけです。

 

なんせ10年も寝かして気になっていた作品を読み終えれたので

「もう読もうとしなくていいんだね」という開放感があります。

 

僕としては読んだからには書評として残したくはなりましたが

他の人々にオススメすることはありません(笑)

 

もし読んでやろうじゃないかと思ったら

なんせ新しい登場人物の名字名前と職業や、どういった人物かをメモしながら読んだ方がいいでしょう。