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「ベン・ハー」:映画レビュー【ネタバレあり】

すごい気合入れて、トイレこもってますみたいなタイトルの「ベン・ハー」を鑑賞しました。

アカデミー作品賞はチェックしておくべきだろうと思って色々検索するんですがNetflixではもうほとんど見てしまっているものが多かったです。

 

 

ベン・ハー 製作50周年記念リマスター版(2枚組) [Blu-ray]

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3時間半ほどの長さと、1959年上映という古さから敬遠していた本作品ですが古典的名作ということで見ることにしました。長かった。

 

この作品はふたつの物語を重ねて1つの作品としています。1つはユダ・ベン・ハーの復讐劇、もう一つはイエス・キリストの最後。

殆どはベン・ハーの復讐劇に費やされていますが、序盤に奴隷にされて死にかけているユダにイエスが水を与えるシーンがあり、ここでイエスとユダの出会いとなります。

ユダと言っても、キリスト教12使徒のユダではないです。ユダヤ人の金持ち貴族の当主でしたが、一緒に育ったローマ人の友人からユダヤの反逆者を告発するように迫られ断ったところ、無実の罪を着せられた際にかばってもらえず、裁判なしでガレー船の漕ぎ手として奴隷になるわけです。

 

その後3年してなんやかんやあってローマへと戻ってくるわけです。無実の罪で奴隷にされてその後、ローマ人船長の命を救ったことで圧倒的地位を得て、遂に復讐の機会を手に入れます。復讐といっても馬車レースのことで、憎っくき元友人のメッサラと対決し予想通り勝利します。最新のギリシャ式戦車を使うというチート行為にも負けず、乗馬中に隣からムチで打たれるという卑怯行為にも負けず、結果メッサラは落馬してぼろぼろになったあげく死にます。

 

率直に申し上げて、ジャンプ漫画だったらネットで炎上必須のご都合展開が延々と続くのがベン・ハーの特徴です。ただこの時代の映画としてはとんでもない予算を使ったであろうことが容易に想像できるほどの映像美は圧倒的です。

 

馬車レースが特にそうなのですが、どうやって撮影したのってくらい人と設備を作り上げて撮影しております。一発撮りできたんだろうかとか、落馬して馬に轢かれているのは本物の人間じゃないだろうかとか、馬がレース中にひっくり返ってるのは本物なら痛そうだとか思ってしまうわけです。その当時は当然合成技術があまり発展していなかった時代でしょうから、複雑なCGは不可能です。

 

それでも合成だとわかるシーンはいくつかありました。レース中の前から撮影しているユダとメッサラとか、海洋上で漂うユダとか。今の最新CGに慣れた身としてはやっぱり違和感があるわけです。それでも60年近く昔の技術だと思えば、結構すごいんじゃないかとも感じましたね。

 

もう一つの物語として、復讐に燃えるユダの怒りの終着点としてのキリストの慈愛という側面があります。イエスの顔は撮影されず、後ろ姿で何度か登場します。最初は水を与える時、そして最後は磔にされる時。

長らく地下牢にいたせいで業病という疫病にかかったユダの母と妹でしたが、イエスが磔にされ血を流しているときに、嵐がやってきて、身体中が痛んだかと思えばその病が完治するという、イエスの奇跡が描写されます。

そしてユダ・ベン・ハーも復讐の気持ちがなくなるという結末でした。

キリスト教とローマ時代を背景に、聖書チックなストーリーが展開していくわけですが、そういったものに興味がなければかなり退屈な3時間半になるでしょう(笑)

 

映像とセットは本当に圧巻ですが、同じ復讐劇ならグラディエーターの方がおもしろいかもしれませんね。ユダ・ベン・ハー自体はシュワルツネッガーやヒュー・ローリーっぽい見た目でイケメンです。吹き替えで見たので声もイケメンボイスでした。

 

Netflixは完全版での放映ですが、当時はカットされていたシーンのみ英語ボイスに切り替わるという仕様です。ユダが死の谷で疫病にかかった母妹を影で確認するというシーンが当時はカットされていたのでしょうが、だいぶ重要なシーンをカットしたもんだなあと思いました。

 

あと1959年という時代柄でしょうか、非常にユダヤ贔屓な描写満載ですね、ローマ人には悪人面なメッサラや、のっぺりとした顔の皇帝代理とか、ユダヤ人はみんないい人たちばかりだとか。ローマ人はいずれ滅ぶだろう的なことも、ユダに言わせるし。歴史的にはその通りなんだけども。

 

唯一馬車レースの馬を用意したクチの悪いアラブ人商人はいいキャラしてました。強烈に口が悪いのに馬にはすごく優しい(笑)

 

今では作れないだろう本物のキャストを大量に使った映像が見どころといったところでしょうが、古典映画を学ぶぐらいの意識がないとつらい映画だと思います。

 

5.5点/10点