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書評:「ど根性ガエルの娘」著者 大月悠祐子【ネタバレあり】

はてブのエントリーで上がっていたので興味を持ちまして早速読んでみました。

 

ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

 
ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)

ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)

 

 

Kindleだと簡単に買えて良いですよね。

さて内容ですが、有名な漫画作品の「ど根性ガエル」作者、吉沢やすみ氏の娘さんが家族についてを描いている物語です。

 

ど根性ガエルは1970年代に6年間ぐらいしか連載していませんでしたが、大ヒット作品として僕なんかでも名前を知っております。

たしかソルマック胃腸薬のCMで使われていたんじゃないかと思います。

ど根性ガエルのコミック自体は読んだことはありません。

 

電子書籍と無料で読める13−15話までを読んだところ、時系列を考えるとより15話の深刻さが際立ちますね。

10話で一旦連載は終わっていて、15話で明かされますが2016年の7月に吉沢やすみ氏は重症を負って入院しているようです。

 

家族の現在については今後明かされるのでしょうが、寝たきりか、もしくは完治したが癇癪がなくなったかといったところでしょうか。

訃報はないので死亡はないでしょうが、重病人になったことは間違いないでしょう。

だからこそ、11話以降を描けたのではないでしょうか。

 

父が重症になり、自由ができてその後、家族再生のストーリーではない展開を描けるようになったと。まあ推測ですが。

 

12−15話あたりが非常に暗い話になっており、母親の宗教にハマったようなことが少し描かれ、父親のDVモラハラが今も続いていることが15話で示唆されます。

 

家族の形は色々あれど、ビッグ・ヒットを飛ばすような方はやはりどこかぶっ飛んだところがあるんですねえと。ただぶっ飛び方も笑いにならない方向での飛び方なのでイマイチ尊敬できないというか、ネタにできないというか。

 

自分の家庭がこの家族と比べると全く健全すぎて、すごい幸運なことのようにも思えます。

 

プッツンくると大声を上げるタイプの父親ってもうこれは害悪ってもんじゃない。

しわ寄せはどうも母と娘に多めに振られている感じがしますし、その分すごく苦労したんだなあと思わせます。

 

10話までは、隠されていたというか、隠さざるを得なかったかのように思える本当の父親の姿は13−15話でもっと正直さをもって描かれているかのように思います。

 

なんせギャンブルと失踪というようなある意味、よくある上に消えてくれれば心配はするものの家族に直接手を上げたりしない分、「どーしようもない大物作家」的な安心がありましたが(そして今はもう治っていると最初は示唆されている)、15話で吉沢やすみ氏に対するヘイトが頂点にやってきて、今でも家族関係はいびつなままで継続しているという状況。

 

それを、吉沢やすみ氏が重症になったから描けることができたというなら、家族関係のいびつさが裏付けられるというものです。

 

大ヒット作家といえどもギャンブル、アルコール、DVモラハラ、失踪と女以外は問題行動のオールスターを兼ね備えているじゃねえか、すげえな。

 

明らかに家族の不名誉を、墓まで持っていく気がないというのが家族関係を垣間見える用に思えますね。本来なら家族の不名誉を描くというのは、まあご法度でしょう。

大作家を第三者が死後に描くことはよくありますが、実の娘がここまで父親にヘイトを集める描き方をするということは、もうそれでもいいという親子関係なんだろうなあ。

 

世間にも色々問題ある家族は多いといえど、僕自身はそういうふうにならないことを願わんばかりです。