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「シティ・オブ・ゴット」:映画レビュー【ネタバレあり】

2002年に公開された映画「シティ・オブ・ゴット」

ブラジルの「神の街」と呼ばれるひどいスラムの生活とギャングの抗争をテーマに、ジャーナリスト志望の主人公ブスカペが語り手となって映画が進んでいく形です。

 

 

ざっくりまとめると「スラム街の日常系」映画って感じです。

 

日本が舞台だと女子高生の他愛もない話が延々と続くのでしょうが、ブラジルのスラム街だと、殺人!強姦!薬物!腐敗!みたいなのが延々と続きます。

 

印象にのこっているのは冒頭の鶏を焼くシーンでしょうか。めっちゃうまそうやなって思ってしまった。導入部としては名作オーラが凄まじくでております。

 

前編通してスラムの生活はやったらと汚い。ここに1日もいたくねえなあと思わせる汚れ具合です。それにカジュアルに銃とマリファナが出てきます。子供も持ってるし、学生ぐらいのキャラクターもみんなマリファナ軽く吸ってる。スラムの人々が「都会」と呼んでいる地域のジャーナリストも吸ってたりして、まるで普通のタバコですよ的な感じに見える。

 

マリファナは金になるようで、縄張り争いの原因ともなります。登場人物にリトル・ダイス(後にリトル・ゼ)と呼ばれる子供が成長し、極めて残忍な性格で他のチンピラ達を虐殺、神の街の大物になり安定期が訪れます。

 

彼の人生はまさにブラジルのスラムの典型例の一つとして語られます。リトル・ゼには相棒のベネがいました。ベネはギャングにしてはとてもいいヤツで、無用な殺しはしたがらず儲けは周りにばらまくような男で、スラムでは尊敬されております。

 

ベネがうまくリトル・ゼを抑えてたがゆえにスラムは安定しますが、ベネが引退を宣言、送別会のパーティではリトル・ゼの暗殺をしようとした男が間違えてベネを撃ち殺してしまう事件が起こる。その後は歯車が狂い、リトル・ゼは荒れ狂い2枚めのマネと呼ばれる元軍人の彼女を強姦、更にその弟や父親を殺害したことによってスラム全土で報復の抗争が起こります。

 

マネは善人ですが、リトル・ゼに縄張りを狙われている他のギャングと行動をともにしリトル・ゼの排除を試みます。ラストまでは一気に殺人と報復の応酬を繰り返し破滅へと向かっていきます。主人公のブスカペはその抗争のさなかリトル・ゼの写真を取ることで新聞社の仕事を貰えるようになるという展開です。

 

この物語はスラムがいかにどうしようもなくハードで、変化させることがほぼ不可能であるか雄弁に語っております。ギャングの人々は文字を読むことさえできず、マリファナを売ったり強盗を働くことでしか十分な収入を得られません。ギャングとして成功したとしても決して安心できるものではなく、若い野心のある子どもたちに狙われ続ける。警察は腐敗しており、ギャングに銃を売り渡す。ギャングはその銃を使ってスラムを統治しようともくろむ。その繰り返しが続くという日常。

 

平和な日本では想像できない生活がありますが、銃を昼間から堂々とぶっ放すは、それでも一本道路を隔てれば普通に歩いている人たちが描かれ、価値観の違いに驚きます。

 

名作と呼ばれるだけあって、飽きさせないで見せてくる面白さがありますが、なんせ画面が汚い。特徴的なのは都会の新聞社で働いているのは白人ばかりで、スラムにいるのは黒人ばかりというところなどはブラジルの現実なのでしょう。

 

冒頭の映像でポルトガル料理が食べたくなり、そのシーンだけ非常に印象に残ってしまいました(笑)

 

 

8点/10点