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書評:「死神の精度」著者 伊坂幸太郎【ネタバレあり】

 積読していた「死神の精度」を読み終えました。

伊坂幸太郎作品は初めてです。超有名作家ではあるのですが、手に取ることを何故かためらっていました。読書をする時も、なんとなく後回しにしていました。

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 

シンプルに感想を言うと、とても上質なエンターテイメント小説です。僕は小説に「何か得るもの」「楽しめる時間」のどちらかを求めております。どちらか一方があれば後悔しないのですが、この作品が「楽しめる時間」を保証してくれるタイプの小説です。

 

内容は、人の死を看取ることが仕事の死神という存在が、その仕事をこなしていく中での人間とのエピソード集となっており、短編のように物語が完結していきます。300ページほどの文庫本ですが1つの話あたり70ページとかで完結します。主人公は死神で、そこだけは全編通して変わりません。

 

死神は人間の感情や言葉などに、理解が及ばなかったり、よくわからないところもありますが、人間の姿を借りてターゲットと面会し、死を迎えさせるかの最終判断を行います。大抵は「可」としてターゲットは死にますが、気まぐれのように「見送り」と判断して死なせない場合もあります。

 

伊坂幸太郎の文体はとてもポップで、説教臭くなく簡潔な文章で書かれております。おかげで煩わしいと感じることなく小説を読むことが出来ます。

 

ミステリーの要素もありますが、どちらかと言えばヒューマンドラマです。死ぬ直前の人々の物語を感動や虚しさと共に提供してくれような。死の瞬間を曖昧にしているところも想像を掻き立ててくれます。

 

なので何か得るものがあるわけではないですが、じーんと来るエピソードが多いですね。1話目から6話目の間に50年ほどの月日が流れていますが、死神は年老いないのでその感覚すらなく、それ自体をレトリックにして6話目を迎えるところも、作家の構成力を味わえます。

 

なんというか僕の中では東野圭吾と同じジャンルですね。もしちょっと感動したいというなら気軽に読んでもいい感じです。