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書評:「ボヴァリー夫人」著者 フローベール【ネタバレあり】

色々と積読していたわけですが、その中の最後の1冊になります。19世紀フランス文学の有名作品でもある「ボヴァリー夫人」。

 

 

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

 

 

なんでコレを買ったんだろうと思いましたが、確か綿矢りさという作家のインタビューで話題になっていたので買ったんだろうと思います。

 

簡単にいえば、とある田舎の聡明なお嬢さんが結婚し、そしてそれが嫌になり都会に憧れ浮気を楽しんで、そして破滅していくストーリー。

 

主に主人公は医者であるシャルル・ボヴァリーとその嫁である「ボヴァリー夫人」エマ。シャルルはとてもいい人です。母親にも愛されて育ち、医者になり頭もいい。ですが退屈な男です。田舎で往診を繰り返す日々に何とも思わずに暮らしていられる愛妻家で特段悪い部分がありません。

 

結婚してからエマは、自分が片田舎でのんびり暮らす生活には耐えられる女ではないと自覚します。舞踏会や美術館なんかを楽しんで、都会の喧騒の中で暮らしていくタイプの女性だということなんですね。彼女は聡明だったためそれを強く自覚していきます。

 

一人目の間男である同じ街に住んでいるロドルフ。彼は都会で女を何人もたぶらかして来たやり手です。彼は美人のエマを見てたらしこんでやろうと思い、彼女が欲求不満であることも見抜きあっという間にモノにしてしまいますが、エマが随分メンヘラ気質で依存体質であることに気づき、しばらく街を去ります。

 

エマはロドルフに夢中になるあまり、駆け落ちを画策しますが、もちろんロドルフはそれを望んでおらずはぐらかします。そのために旅をするための色々な商品をルウルーという金貸しにツケ払いで買ってしまいそれが後々破滅へと導きます。

 

ロドルフが去ってからは、シャルルのお気に入りの書生だった法律家見習いの若きイケメン、レオン君に憧れます。レオン君は最初はエマ達と同じ村で過ごしていましたが、都会の方で下宿するようになります。

 

エマはなんだかんだで、理由をつけて都会まで行って浮気を重ねます。この過程でドンドン借金を重ね、夫のシャルルにバレたくないからルウルーにいいようにしてもらった結果、夫の持っている財産などにも手につけてしまいます。

 

最終的には、ルウルーがエマに差し押さえの手続きを取ったことを告げ、そこから物語は一気にラストまでいきます。彼女は最後まで自分の借金がどの程度に膨らんでいるかも気にせず、それらをロドルフやレオン君にまで工面するように頼みましたがどうにもならず自殺を図ります。

 

シャルルは自宅のものが差し押さえされるまで、なにも気づかず、差し押さえで半狂乱に陥りますが、エマがヒ素を飲んで自殺してしまったことでさらに打ちひしがれます。

とても愛妻家だったので彼は何もかも失ったようになりますが、さらに追い打ちをかけたのはエマとロドルフやレオンとの手紙です。

 

シャルルはエマが浮気をしていたことなんて全く考えておりませんでしたので、それがとても傷つけたのです。結果として彼も死期を早めました。

 

まあ誰も得しないひどい最後を迎えたということですが、なんせこの頃のフランス文学ってこんなんばっかですよ。モーパッサン女の一生とか。

 

しかしこの物語は時代背景こそ古いですが、内容は現代でもありがちなことです。オラオラ系のおっさんにサクッとこまされる若奥さん、イケメン大学生と浮名を流すと結構ありそう。リボ払いで破産状態に陥り、風俗で働くなんてこともありそうですね。

 

この物語は女を退屈させるとこうなるよっという警句であり、さらに借金や自分の家計はちゃんと夫婦で把握しないといけないよという教訓でもあります。

 

残念なのは借金取りのルウルー君がエマを手篭めにすることがなかったことですね。借金や秘密を握られた人妻をいいようにするかと思ったのですが、彼は純粋にボヴァリー夫妻からお金をむしり取るのが目的でした。

 

途中でエマの美貌に惚れている公証人が出てきますが、彼は露骨に借金を盾にしてエマに言い寄りますが、エマがきっぱりと断っております。

 

エマは惚れた男には頼ろうとしましたが、他の人々は眼中になかったようです。そこが寝取られ小説としてはイマイチな出来ばえです。

 

ですが、恋に恋するおばかさんに付き合うとどうなるか、というのを物語仕立てで教えてくれる名作であります。