以下の記事で少子化が女性の社会進出を進めたという指摘に対し
コメントでは女性社会進出が少子化原因だという批判があります。
男女平等が進んでいる北欧諸国の出生率を見てみましょう
いずれも2014年
スウェーデン 1.89
ノルウェー 1.78
デンマーク 1.67
フィンランド 1.75
日本(2015)1.46
これを見ると男女平等指数が日本よりはるかに上の4カ国とも出生率が高い
更に細かく見てみましょう
【スウェーデン】
2003年から現在にいたるまで出生率1.7以上です
1980年ー1984年までは1.6台と低く(それでも日本よりはマシ)
1988年ー1994年までは1.9〜2.0台へと大回復しております。
1996年ー2001年には1.5まで落ち込むときもあるほど低くなりました。
今では1.7〜1.9で落ち着いているようです。
世界経済フォーラムの2015年の男女平等指数は4位
【ノルウェー】
2006−2010年は1.9台であり、35年間で
1.6台だったのは1983年〜1986年の3年間のみであり
1988年から1.8以上をキープしています。
念のためにいうとノルウェーはEU外の移民の受け入れに消極的です。
世界経済フォーラムの2015年の男女平等指数は2位
【デンマーク】
1992年から2012年の20年間に渡って出生率1.7以上をキープ
2013年と2014年は1.67と落ちています。
デンマークも移民嫌いで知られ(非常に厳しい移民規制法が可決された)
世界経済フォーラムの2015年の男女平等指数は14位
【フィンランド】
1989年から現在にいたるまで出生率1.7以上を継続しております
2004年ー2012年は1.8台を記録しております。
世界経済フォーラムの2015年の男女平等指数は3位
上記の国々で移民を受け入れているのはスウェーデンぐらいです。
移民に対して融和的なのはスウェーデン1カ国といっていいでしょう。
そのため男女開発指数で上位国かつ移民受け入れしていなくても出生率はそれなりに高く保つことができるといえるでしょう。
2014年の先進国における出生率ランキングは
フランス 1.99
アイスランド 1.93
ニュージーランド 1.92
スウェーデン 1.89
アメリカ 1.862
オーストラリア 1.859
イギリス 1.83
というように続いていきます。
(調べて気になったのはカナダの1.61というところ。移民だらけだ、との評判の割に出生率はそこまで高くないようです)
日本のネット世論として上記国々は移民の出生率が高いんだといいますが
移民構成は
ノルウェー(18%)、フィンランド(3%)、デンマーク(9%)、スウェーデン(10%)
ノルウェーに関してはEUからの移民(ポーランド、ドイツ、スウェーデン)などを除くアジア・アフリカの後進国移民は5−6%程度であり
北欧の移民はネットでの評判に比べて実数はそこまで多くないのであります。
スウェーデンに関しても1000万人の内、アジア・アフリカ系移民は50−60万人程度にとどまり、移民が出生率を底上げしているとは言い難い。
さて、以上のデータを踏まえれば後進国の移民を大量に受け入れず、かつ北欧レベルまで男女平等にしたとしても、出生率1.7〜1.9ぐらいは達成可能ということになります。
むしろ女性の社会進出を極限まで高めている地域のほうが出生率が高い。
日本と同じような女性差別問題を抱えるドイツ(1.39)・イタリア(1.39)の出生率はやはり低い。
意外ですがドイツも「出産か仕事か?」というような選択を迫られる社会であったり、イタリアも元首相からしてミソジニーが許容される社会であります。
(ドイツは大量移民受け入れで人口増加をはかっていますが)
【まとめ】
先進国では女性の社会進出を推し進めた国のほうが、高齢化問題の深刻化を防いでいると言えるでしょう。