雨宮まみ氏を知ったのは彼女の訃報でした。
こじらせ女子なる言葉は知っていたけど、この方は亡くなるまで知らなかったんです。
そんなに有名だったとは恥ずかしながら知らず、代表作であろう本作を読んでみました。
つらい。非常につらい。
感受性が相当豊かなのは文面や内容からわかるのですが、そこまで様々なことを気にしていきていたら生きにくくないかと思うわけです。
ただ僕は男性なので女性のつらさはわからんとこもある。
著者は25歳までニキビがひどく、ブス扱いされていたので容姿に優れぬ女性の辛さがよくわかっていらっしゃるようだ。
ニキビが治ってからは「女性だから」という価値観に追い掛け回され腹を立てていたようだが、そういった感受性に追い詰められるタイプのようでもある。
本書の最後ではそこから開放されたような文がありますが、本当にそうなのだろうか?と思わせるところがある。
AVライターやバニーガールという経歴は異端であり、彼女の人生は最初から「普通の女の子」ではいられなかったのだろうなあということが悲しい。
なんせこれを読んだときには著者が死ぬ運命を知っていたわけですから、それ前提にして読んでしまう。
もうちょっと明るくてあっけらかんな生き方ができないものかと思うと同時に、それができないのが著者の本質であり、同類の人々へのエールにつながるんだろうなあとしみじみ感じました。