まとまったお金が手に入ったらなるべく本を買っておこうと思っていた。最近では暇になったらスマホばっかり触ってしまうので、何冊か購入しておいた。
そのうちの1つがこの本「イーロン・マスク 未来を創る男 」
端的に言ってウルトラクレイジーな経営者だ。やっていることがやばすぎる。
何がやばいかってお金にならないと世間から思われていることにありったけのお金をつぎ込んで会社を成功させることを繰り返していることだ。
本作はイーロン・マスクに直接話しを聞いたり、友人家族にコンタクトをとったりと丁寧に取材された作品になっている。
南アフリカで生まれた男は10代で単身カナダそしてアメリカに渡り大学で学位を取得。Zip2社といううネット広告企業を立てて成功、ペイパル、テスラ、スペースXと次々と起業してはメジャーな会社へとのしあげた男の人生の物語だ。
コレを読んだところで共感出来ることは何もない。異次元の世界からやってきた超人が社長になっているという風にしか見えず、別の世界の住人って感じだ。
たった2ヶ月ハードに働くだけで音を上げている僕とは違って、人類のため、夢のために若い頃からずっと働き詰めでいられるというタフネスだけとっても異次元だ。
Zip2社やペイパルの成功で億万長者になっても飽き足りずに、財産を次のビジネスに躊躇なくつぎ込める精神もクレイジーだ。
経営者といっても科学が大好きで学位もきっちり持っているエンジニアでもある。このレベルの人間が出てくるのはまさに奇跡なのかもしれない。アメリカ育ちではないが、アメリカしか受け入れる余地のないタイプの人材ではある。
日本からはこの手の人間は絶対に出てこないだろうなあ。というか世界レベルで見ても極めて珍しいぐらい、理想のためにありとあらゆるリスクを引き受けられる男だ。
イーロン・マスクは週に100時間働くそうな。一日8時間平時のみだと週40時間。倍働いても80時間にしかならない。つまり平日16時間はたらいて土日も10時間ずつ働くことでようやく100時間に達すると。まあ彼は経営者でロケットやら電気自動車の勉強をしている時間も含めているのだろうけど。
だがそれだけ仕事に熱中できるのは驚嘆に値する。それだけではなく自分の金も全て次のビジネスに捧げる。金持ちになったから適当に満足というわけではない人物だ。
彼は良いとは言えない家庭環境で育ち、特に父親については語りたくないというぐらいには好いていない。めちゃくちゃ厳しかったらしい。だが貧困すぎる家庭というわけではなく両親が成功した人物で邸宅も持っていた。80年台には高級品だったパソコンも子供の頃に買ってもらっている。教育には金を惜しまない家庭だったようだ。
頭が良すぎて他人の間違いを指摘するタイプだったためかイジメも受けた。今でも心に傷があるらしい。インタビューで話していると熱くなっていたそうな。
いずれにせよタフな子供時代と教育が彼を育てたようだ。それにしても人類のためという大義のために手に入れた金も時間も全てを捧げてしまう精神力はどこから来るのだろうか。やっぱり別次元の人間だなあと思う。
ジョブズのように極端な高学歴でない故の親近感などなく、超エリートの上にサイエンスも経営もうまいという超人すぎて全く参考にならない。
ちなみにイーロン・マスクはアイアンマンのモデルにもなったそうな。そしてシリコンバレー界隈ではジョブズ教よりマスク教徒が増加しているらしい。
おもしろい読み物だけど、まったく共感はできない。