フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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アラサーになって「何者かになれる」という呪いにかかる

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ぐっと来る記事を読んだ。僕は逆だ。

20代前半の頃は自分は大したことができない、今後人生良くなっていくのか?

豊かになれるのか?などと不安に思っていた。

ITエンジニアとしてもハマれないで日々を過ごしていて、現実逃避に小説なんかを書いたりしていた。

 

ところが20代後半頃になると仕事をある程度1人でまわせるようになる。

そうすると会社でいるのが嫌になり、独立する。

 

フリーランスのエンジニアになると収入が極大に増えた。

信じられないほど増えた。

マネーイズパワーである。

ちょっといいスーツもサクッとかった。ガジェットも用もなく買った。

スマホも買い替えたい時に買うようになった。

食事もリーマンが食べるようなものではなく、ランチでも一番高いメニュー、夕食も北新地なんかの高い飯を食べた。

 

その時いた彼女がフレンチ好きだと言うからちょくちょく連れて行った。

母親にも飯を奢ったりした。

 

さらにキャバクラである。独立してなんだかんだあってその時の彼女と別れた。

これが精神にかなり来た。悲しみはそうでもなかったが週末は彼女に使うという日常だったし、平日も常に夜電話していた。それがなくなって時間があいた。

 

忙しかったが、ちょっとした夜の時間、ちょっとした休みが辛くなった。

キャバクラ・ラウンジに通うようになり、年間100万は小便になって流れた。

最初は新鮮だったそういう店もだんだんとパターンが決まってくる。

キャバ嬢アルゴリズムが見えてきたころ、楽しくないなあと思い始めた。

金を使うのはいいが楽しくないことに使いたくないのだ。

 

20代初めの頃はいろんな将来を思い浮かべる。なりたい職業の1つが通訳士だった。

本気ではなく何となくいいなあと思っていたものだった。

 

ITエンジニアはシリコンバレーが中心地なので新技術の1次資料のほとんどは英語だ。

漠然と英語が使えたらなあと考えた。

 

今まで海外旅行なんて行ったことなかったが、ロンドンに語学留学しようと決めた。

アメリカよりもヨーロッパの方が歴史建造物が多くて楽しめる。

日本にいたって勉強に身が入らないんだから休みをとって集中しよう。

エージェントに相談してトータル150万ほど、半年近くロンドンで暮らした。

 

これが引き金だった。

 

想像と違って極端に英語力が上がったわけではないが、ありとあらゆる日本との違いを肌で感じた。ホンモノの国際都市は日本の名ばかりの大都市とは違う。

 

香港、台湾、イタリア、スペイン、フランス、ブラジルとメジャーどころからスリランカハンガリージンバブエから来た人とも話した。

 

拙い英語だが意外とコミュニティケーション取れるもんだ。

「やばい。楽しい」

ここまでアドレナリンが出たのは久々だった。

 

ロンドン滞在費用で半年150万は結構少ない。キャバクラ費用の一部でも残ってりゃ贅沢できたのにな!と心底思った。それでも十分楽しめたが。

 

ちなみにはてブロで使っているペンネームのフロイドとは、イギリスの古いバンドであるピンク・フロイドからとったが、僕がロンドン滞在中に豪華な特別展示がヴィクトリア&アルバート美術館で行われていて、そこでも感動した。

 

美術館が多すぎるほどあるので無料の美術館に通い続けるだけでも人生が楽しめた。僕が生きたいと思える道を見つけたのだ。ロンドンは平野部が広いためビルやマンションは少なく、デカイ空と広い公園に毎日入り浸れる。そして何より花粉と虫が少ないのだ!花粉症からくるアトピーの僕も、ロンドン滞在中は肌荒れがなかった。

 

限りない理想郷に近い何かを見たため魂が燃えはじめた。昔では考えられなかったが、30代に入った今になって何者かになれる、まだ間に合うと心が叫ぶのだ。

 

イギリスから帰ってきてから生活が変わった。

2-3日に1度は飲んでいた酒も飲まなくなった。女の子の店にも行かなくなった。

金払いが悪いとなると誰も誘ってくることはなくなった。200人もいたラインの友達リストは50人まで消した。食事はいいものを食べるが回数は減った。

 

2年前は考えられなかったが毎日通勤電車でBBCやGuardianのポッドキャストを聴いている。英語の勉強するために自習室も借りた。来年にはロンドンの大学に行くつもりで、エージェントに相談して英語学校と契約するつもりでいる。20回の授業で10万の支払いがあるが、それでもキャバクラ2-3回分だなと思えば安く感じる。Amazon echoをイギリスのアカウントで英語設定にしてBBCのヘッドラインニュースを聴くようにしたりもしている。

 

そりゃジョブズやベゾスにはなれないだろうが、自分が住みたい国で仕事を得ることはきっとできるようになるだろうと思い始めた。アメリカでもドイツでも行けるはずだ。

 

十分な収入と本当に国際化された企業で数十カ国の友人を作ることだってできる。

そんな未来を夢見ることが止まらないのだ。

 

片方で40歳近くまで落ち着かないだろうし、少なくない借金も背負うだろうし、結婚はほぼないんじゃないかと思う。だがそれでも今まで想像出来なかった人生を得られるかもしれないという呪いにアラサーになってからかかってしまったのだ。

 

僕はこんなもんだから、平坦な人生でもいいや、なるようになるさとは思えなくなってしまった。

 

これから冒険が始まるのだ。