フロイドの狂気日記

いつ走り出すか誰も教えてくれなかった、お前はスタートの合図を聞き逃したんだ!

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マンスプレイニングがなくなる年齢について

マンスプレイニングとは男性が女性に無知だと言う前提で偉そうに説明するような態度のことを言う。音楽やら絵画、政治、ビジネスなどなど「オレは詳しいんだぞ、お前に教えてやるよ」という感じのあれだ。ManとExplainから来ている。

 

ところで僕は被害者は女性に限らないのではないか、と思った。若い男性もマンスプレイニングを受けることがあると思うのだ。マンスプレイニングはあくまで女性に対する態度を言うのでここでテーマにするには不適格だが、調べても似たような概念がでてこないので、マンスプレイニングで通す。説教とマンスプレイニングは近くて違う概念かもしれないし、日本にありふれた光景で性差別がない分、インパクトがないけれど。

 

僕が20歳の頃、初めて入った社長は「自分の流儀」みたいなものを持っている40代のおっさんだった。いいとこも悪いとこもあるがとくにかく我の強い社長でもあって初めて社会に出た僕は面くらった。

 

彼は僕を無知で愚か、だが見どころのあるということを言ったりして、色々と目をかけてくれた。カバンがボロボロだったのをみて、安物だが使うに問題ないものを買ってくれたり、なるべく奨励会としょうして美味い飯を食わせてくれたりとしてくれた。

 

「君はまだわからんだろうけどな」というのを前置きに政治や経済についてウンチクを言ってきた記憶がある。内容は全く覚えていないが。おっさんばかりの零細企業であったため20歳の僕は久々にフレッシュで未熟なタイプの存在だったらしく、彼らのウキウキさ加減は覚えている。

 

その後2年と少しで僕への期待は雲散霧消し、社員の1人から未経験はもう雇わないと社長が言っていたことをさらっと知った。それだけ僕に若者を立派に育てるという幻想をぶち壊されたのだろう。

 

その頃の先輩方によく言われたのは

「注意されている内が華やぞ。年取ったら聞くことも注意されることもなくなるんやから」

 

この言葉は30代になった今よく理解できる。もはや今となっては年下から注意されることなんてないし、年上は管理職が多く忙しいし、注意したところで変わらないという前提があるようで、もしくは言い争いになったりするリスクを避けてか何も言わなくなるのだ。IT業界は他と違って契約期間が決まっている外注が多いので、期限切れで仕事を終わらせるということをすればいいのだ。

 

もし正社員の駄目なやつなら何とかぶつかりながら教育もするかもしれないが、ここまで派遣社員契約社員が浸透した世の中なら、表面上は波風が立たない世の中になっていくのかもしれない。それはすごく快適に見える。僕にしてもおっさん上司からの説教よりも、年齢と経験による落ち着きこそが成長させたように思うのだ。そしてどれだけ説教を受けても変わらないダメな部分もある。

 

マンスプレイニングがダメなら男性への説教もなしでいいんじゃないか。若い女性にドヤ顔説明することが非難されるなら、若い男性に対してだって気を使われてもいい。だけれども男の世界はそういう師弟関係みたいなのがあったりして、漫画でも鉄板設定だし、今ではGoogleなどのビッグネームもメンターを見つけろと発信している。

 

誰彼問わず説教かますのはマナー違反の世界になっても、この教えるという行動自体は必要なのだ。だが有能なメンターを見つけられなかった人々は現代では自力での成長をせざるを得ない。まともなメンターを見つけられない環境の人々は運が無いか、そもそもどうしようもない人々と仕事をしているか。他者からの気づきは確かにある。だがそれを望むか望まないかは個人の自由である、と定義してしまうと、延々となんにも気づかないで年をとる人々だって出てくるのだ。

 

いや、それは今でもそうか。

 

個人の権限と思想への不干渉はドンドン強化されていっている。まさしく静かな社会の出現というわけだ。そのような世界では自ら気づき、反省し、進歩していくことを強要される社会なのだろう。自ら気づかぬ者は知らない間にパージされるか、取り残されるのだろう。

 

いや、それは今でもそうか。

 

説教がなくなり自分の愚かさを気づけぬ社会になるのは良くない、などと少し思ったが今でも十分愚かな人は多いし、高圧的な人間が減るだけで案外快適なのかもしれない。