フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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Airbnbの失敗は日本がガラパゴスだから。そして日本が戦前と変わらないことに気づく

日本のガラパゴス思想ここに極まれりだ。toyokeizai.net

www.standard.co.uk

Why is Airbnb successful? - Quora

Airbnb is taking over London – and this data proves it | WIRED UK

 

上記の記事で言われるようにAirbnbは記録的な成功を収めていて、成功理由の分析記事は枚挙にいとまがない。Airbnbアメリカやロンドンだけではなく世界中で成功している。だからこそユニコーン企業だとか言われてもてはやされているのだ。失敗例のようにあげられるのはパリや日本だが、そもそもパリは失敗していない。実際にパリでAirbnbを検索するとロンドンと同じくらいの家の数とレビューが出てくる。ようするにパリが失敗だと喧伝されているのは日本での攻勢を弱めたい人たちの都合のいい記事なのだろう。

 

例えば2016年初頭の記事では大々的に成功が紹介されている。

The Economics of Sharing: Airbnb breaks all records in the Paris Region | Innovation Prime

2017年のパリのAirbnb規制記事

Strict new rules imposed on Airbnb rentals in Paris | The Independent

規制がパリでひかれたのは間違いないが、日本のAirbnbのように壊滅したわけではない。ParisやLondonで宿泊先を無条件検索すれば、一番上に「パリのお家はレビュー総数2,000,000+件、評価は平均4.6つ星です。」というようなメッセージが出てくるはずだ。これが出てこないのは世界の大都市としては日本のみだ。東京でも宿泊先が300件以下で他の国の大都市とは全く違っている。

 

ようするに世界の大都市圏でAirbnbが壊滅したと言えるのは日本だけで、他は何だかんだでうまくやっているということだ。それ見て観光庁よくやったというのは、まあ時流に乗れない竹ヤリ野郎ということです。日本代表、堂々退場す。それを喜んでるはてブ民を見て、民度ゼロとはこのことかと目眩がする。あからさまに戦前と同じような空気感を地で作っているんだから。

 

ところで規制があっても壊滅していないパリに、大成功のベルリン、ロンドン、ニューヨークと東京・大阪などの違いはなんだろうか。ちょっと挙げてみよう

 

 

マンションや高層ビルの多さ、つまり土地の狭さ

これは致命的ではないだろうか。アジアでは当たり前でも、ヨーロッパで高層ビルというのはすごく少ない。高いマンションに住人が住むというのは実はそこまでスタンダードではない。でかいマンションも留学生などを受け入れるために建てたものだったりして、現地住民と混合施設じゃなかったりする。僕はロンドンに行った時はそういうかないり大きい郊外のマンション(イギリスではマンションと呼ばない)の一室を借りたが、そこは留学生用のマンションのようなものだった。日本で特に問題になったのはマンションの一室を貸すというもので、それが原住民とのトラブルにつながったという点が多いようだ。それの対応はAirbnb側にはできなかったのだろう。そもそもヨーロッパもアメリカも土地が広い。一軒家に複数の部屋があってそれぞれを移民に貸すことはあるが、その土地を管理するのは大家だけで事足りる。日本のマンション自治のようなものはあまり見られない。

 

権利意識の弱さと島国根性

自分の所有物をどうするかは自分の意思で決める。不動産の所有者が他人に貸したって何の問題もないはずだ。だがマンションの一室を所有していても、その隣人がクレームをつければ問題になるのだ。It's not my jobという精神があまりない日本は、公共の空間だとかみんなの場所という欲求だけはやたら強い。隣の家は自分のものではないが、外国人が出入りするだけで気に食わないという人もたくさんいたようだ。さらに言えば不動産持ちが金稼いでいるのが気に食わないというのもあるだろう。東京でさえそのありさまなのである。

 

外国人嫌い

ロンドンやパリの中心部だって土地は狭く、うさぎ小屋みたいなのがたくさんある。それでもうまく融合しているのは、もともと移民が多く観光客も不法移民も留学生も違いはないという精神があるからだろう。どうせAirbnbがいようといまいと隣人が外国人であるということは変わらないのだ。それなら便利にお金を稼げたほうがいい。そういう柔軟な精神が移民社会によって育まれている。だが日本では近くに外国人集団が歩いているだけでも癪に障る人が多いようだ。大阪も東京も外国人にはなれたものだろうと思っていたが、融合するのは断固嫌というような深層心理が吹き出た。

 

まとめ

Airbnbの使いやすさによって更に大勢の観光客が日本に金を落とし、不動産開発などが進んだはずだが、それも霧と消えた。観光庁が規制強化に踏み切ったのは国民世論への忖度だ。怪しい外国人が自分のマンションでウロウロしてほしくないとか、自分たちのルールを守らない奴らなんていらないという反発だろう。都会でさえ、おらが村のルールを知りもしない外国人がやってくることを拒んだのだ。外国人が掃除をしないならエアビーにプロ清掃費用をのせることもできただろう。うるさいなら静かにするように契約時に警告するようにできただろう。犯罪についても、客への評価もあるわけで身分証確認などである程度は防げたはずだ。それらのトライ・アンド・エラーの可能性を全てつぶしてAirbnbによる経済活性の未来をつぶした。

 

細りゆく日本経済ではあるが、このように新しい何かに対してうまく対応することができないんだろうということが再確認できた。きっと今後も新しい何かが出てくる度に反発して規制し潰すということが繰り返されるのだろうと思う。

 

「日本観光には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…」