トマス・コールは1801年にイギリスで生まれ、主にアメリカで活躍した画家である。
まさに今ナショナル・ギャラリーで特集されている。
昼からトラファルガー広場に向かい、久々のナショナル・ギャラリーに足を運んだ。トラファルガー広場はシーク教徒達が独立運動イベントのようなものをやっていて、人がいっぱいだった。カリスタンと言う国として独立したい人々がいるらしい。日本語wikiがないが割と本格的なムーブメントらしい。
Khalistan movement - Wikipedia
たくさんのカリスタン国旗にが溢れていて、ポリスも見張っていた。そこでナショナル・ギャラリーの前にはインド国旗を掲げた集団がいて、おそらく独立運動に対して反対を表明している。インドの北北西あたりが独立対象地域のようだ。
かつてインドを植民地化していたこともあってこのあたりの動きも訴えやすいのだろう。ロンドンには大量のインド人やパキスタン人、シーク教徒がいる。
その運動を横目に久々にナショナル・ギャラリーの中に入った。常駐作品は大概見尽くしたので何か特別展示がないか覗いたのだが、今回はトーマスコールという作家の展示があるらしい。副題はEden to Empire。
最初12ポンドすることにちょっとためらった。以前ナショナル・ポートレート・ギャラリーの方で見た特別展示が10ポンドした割に作品数がめちゃくちゃしょぼくて泣きそうになったことがある。この入ってみないとわからない感じが嫌だなあと思って、しばらく迷っていた。えいやと中に入ったが、結論から言うと大正解だった。
作品数もかなり多く、どれも素晴らしいものだった。トマス・コールは名前すら知らなかったが、素人でもわかりやすい絵画である。存命中から有名だったのもうなずける。
最初の部屋にかざられた The Girden of Edenという作品があるのだがこれは非常にわかりやすく圧倒される。テーマとしては手垢がついているらしく、Google画像検索をしても大量の違う作品が出てくる。これが副題のメインの1つなのだろう。
だが次の部屋で見れた5部作品はさらに見応えがあった。 The Course Of Empire(帝国の推移)という彼の代表作は一見の価値ありだ。特別展示は写真を撮ってはいけないのでないがネットでも検索すれば見れるので見てみるとよい。日本語wikiもあるし美術史に残る一品なのだろう。
これは帝国の推移の一枚、「帝国の衰退」
5枚の作品で、とある土地が原始から帝国の完成、衰退、そして荒廃まで推移する様子を計5枚のキャンバスで表現された作品だ。本当に本当に感動的な作品である。
その他にもラスト・オブ・モヒカンという作品も自然とモヒカン族の悲哀を表していて感動的だった。展示はなかったが人生を4つの絵で表したVoyage of lifeなんかもインパクトある作品だ。
美術についてはとんと疎い僕でも12ポンドの価値ありと断じるほどなので、美術好きにはたまらないだろう。とても素敵な鑑賞ができたと思う。
August 12 London
前日
次の日