フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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IT業界はもうクールなんかじゃない

僕はIT業界に身を置いているし、今後もこれで飯を食っていくので何なのだがいつもイラっとくることがある。


それはこの業界の人たちが「俺たちはクールなことをしている」と臆面もなく言うことである。
これはgoogle登場からFacebookの大ヒットの流れにあって本や小説や特にソーシャルネットワークという映画なんかで強調されすぎたことでもある。


映画は演出であるところが大きいだろうが、現実でもインタビュー記事でクールな顧客体験だのとのたまう起業家は多い。
彼らが他の業界よりもクールさをアピールするのは、クールでないからだ。


ソフトウェアエンジニアとして優れている人は変わり者だったりオタクだったりする人が多く、現実にはあんまり付き合うのがしんどいと感ぜられる人が多いだろう。


こだわりが強くて、オタクで身なりもいまいちな連中がうようよいる業界で対外的にアピールするために「僕らはクールなことをやっている」と言わなければならない。彼らはクソみたいなオタク集団なんて思われたくないのだ。


10年も前ならそういうことを臆面もなく言って恥ずかしくもなかったかもしれない。
ソフトウェア業界の決着がついていない時期だった。


だがもう大勢は決した。
スマホの性能も機能もある程度決まり、大規模なサーバーをスケーラブルに提供できるのはAmazonGoogleだけ。
めぼしい新興企業はfacebookが買い取る世界になってしまった。


そして肝心な経済への影響力、特に雇用なんかについての観測がある程度わかってきた。
IT業界について言えることはこうだ。


・寄付や買い切りよりも、邪悪な広告が儲かる
・雇用は売上ほど増えない
・プライバシーを侵害することで性能があがる(主に広告での儲けが増える)
・中国などの人権侵害国に対しても協力的


とまあ、結局のところビジネスや株価がクールな部分さえも潰してしまった。
矛盾を抱えながらも一般社会へ還元できれば良いが、残念なことに雇用は増えない。ITやオートメーションが進めば雇用は消えるのだ。


ようは一部の超エリートが作った会社と出資者により牛耳られるという中央集権化が進んだと言える。


われわれの業界が見つけた次の看板は「顧客のため」だ。
とくにAmazonが推し進めているが、徹底した投資と開発はすべて顧客のためになると言い切るのだ。
より安く、より早く、より大量にジャストインタイムで届ける(手助けをする)というものだ。


だが彼らが市場を占有することで、古臭い体質の企業は業績ダウンを強いられる。
労働による再分配をしてきた企業が倒産に追いやられる。
顧客至上主義は便利な標語だ。誰もが顧客だし、安くて良いものはみんな好きだ。
だが最終的には古い体質の企業が雇っていた人をクビにし、彼らの消費力を下げる行いなのだ。
そしてAmazonの工場のオートメーション化された機械が人間の代用品になるのだが機械は消費行動をしない。

 


クールではなくても高給取りや億万長者になれる可能性があるのが、この業界である。
そのため余裕があるならコンピューターサイエンスを勉強するのがよろしい。
AIでプログラマなんて消える、という人がいるが消えるとしたらかなり後の方だろう。


そしてプログラマが不要となる社会は、AIがありとあらゆるものを作り出し社会と同義なので、別に心配する必要はない。
(AIが自分でものを考えプログラミングさえするなら、彼らに電気を与えるだけで自動化されていないものが自動化されるのだから。つまり地上の楽園の実装である。)


そんなわけでソフトウェア産業にジョインすることはお勧めする。
なんせそれなりに儲かるんだから。


だがクールだというのは欺瞞だ。
古い体質を潰して平凡な人々の仕事を奪い、儲けるためにプライバシーを損ない、人権侵害に加担しやすくするシステムでさえ作り上げるようになったこの業界をクールだというなら、人殺しだったてクールなことだよ。


まあ僕も末席中の末席ながらIT業界に身を置いているわけで。
せめてその偽善具合を感じ取るぐらいの精神性ぐらいは持ちたいものだ。