フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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記者拉致と世論と税金

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安田さん 「地獄だった」拘束された3年余り | NHKニュース

 

イスラム武装勢力に拉致された記者が無事帰ってくることとなった。
これについてtwitterなどの反応は様々だが、おおむね多数派は悪感情を抱いているようだ。


僕がウォッチしている良識的な人やマスコミ関係者は無事に帰ってよかった、政府が水面下で動いていたのは正しいという反応だ。
だがマスコミ関係者でない人たちのほとんどは「なんでそんな危険なところいいったのか」みたいな意見が多い。


人によっては殺されればいいとド直球の非難をする者もいる。


擁護的な人々は以下を上げる
・マスメディアとしての仕事をこなしており、危険を顧みず取材することで貴重な情報源となる
・政府が救済するのは正当。愛国心だとか政治信条で区別するべきではない。
・十分なケアをしてほしい


批判的な人はこちら
・危険な場所に行くべきではないし行く必要もない。行くなら自己責任。
・自己責任なので救済するのは不当。税金の無駄
・特別な税金を使ってまで中東情勢の情報が必要なのか
・今回の記者が政府に批判的なのに救われるのがおかしい


そもそもこの両者の間には深い溝がある。擁護者は危険地での取材を必要だと考えているし、批判者は不要だと考えている。スタート地点が違うのだ。


国にとっても国民にとってもイスラム情勢の取材を誰かがやらねばらないと考えている人は彼を救うことが国益であり、正しい行いであると考える。


批判者は危険すぎる国の情報など命をかけてまで、あるいは国に迷惑をかけてまでする必要がないと考えている。
不要なことをしているのに税金をかけたり手間をかけたりするなんてけしからんというわけだ。


この溝を埋めるのはおそらく不可能だろう。だが果たしてイスラム情勢の情報は不要だろうか?


一般レベルでは不要かもしれないが、国レベルでは必要だと思うのだ。
何せ、日本が使っている原油のかなりの部分を中東から輸入している。
サウジにいたっては40%、その他中東諸国からの輸入はトータル87%程。


日本の原油輸入元をグラフ化してみる(石油統計版)(最新) - ガベージニュース


そういうわけで、彼らの地域からの生の情報というのは必要だろう。
表向き身代金などは拒否しても、放置するわけではないのが国の対応である。


彼らも政治信条はともかく関係をつなげておくぐらいはした方がいいとみているだろう。
他のジャーナリストたちからの目線もある。
ここで完全に捨てれば、政府に協力するジャーナリストがいなくなるやもしれないし、しり込みするだろう。


税金は確かに国民のものではあるが、拉致された記者の持っている情報は税金の多寡ではかれない。
なんせ日本の国家予算でもずいぶんとっている原油産油国での取材だ。
原油という一点だけをとっても国民生活に直結することなわけだ。


以前中東で殺害された人には観光者もいたが、今回はジャーナリスト。
多角的に見ても、ある程度の対応は必要だったと見える。