フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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移民に疲れた世界で

アメリカの中間選挙の速報を仕事中に見ていた。

 

今回は下馬評通りの結果のようで、トランプも民主党もどちらも勝者とは言えない結果だったようだ。トランプの選挙手腕は中々大したもののようで、下院で負けたが上院と知事選では結果を残したと言われている。誰が企画したかは知らないが、南米から難民のキャラバンたちが国境付近に押し寄せて、それを歓迎すべきという声と恐怖する人々とがいたようだ。

 

かわぐちかいじの作品にイーグルという政治漫画がある。これは2000年ごろの作品だが、僕はジパングのような有名なものよりもこの作品が好きだ。内容は日系アメリカ人であるケネス・ヤマオカが大統領選挙を勝ち抜き、大統領になるまでの話。これを読めばアメリカの党代表選挙から大統領になるまでの一連の流れがわかる。まだオバマが登場する前の段階で白人以外の人種で大統領選を戦うというテーマは先見性があったように思える。

 

さてその中で印象的なシーンがあった。日系人ヤマオカは紆余曲折を経て大統領選でアメリカ軍出身のグラント将軍と大統領を争うことになった。だがかなりいいところまで来て支持率が上がらなくなる。これに対してヤマオカ陣営の選挙対策リーダーのマッコイが「いざ白人じゃない候補者が勝ちそうになると腰が引けてきたのさ。これは頭の内側にこびりついた差別意識で簡単にとれやしない。」と語る。

 

その後、唐突に白人至上主義団体が各地で暴れ始め差別的な運動を始めたのだ。彼らがテレビに写り始めると、あんなやつらと一緒にされたくないと思う人々がヤマオカの支持に回り始め、支持率が上がり始めたのだ。

 

主人公は東京の新聞社に務める記者なのだが、彼はヤマオカ陣営の独占取材を行っており、ヤマオカは彼にだけ特別に打ち明ける。白人至上主義団体に資金提供して暴れさせたのは自分だ、と。あえて白人至上主義者たちに暴れさせることで、世論の良心を煽る戦略を取ったということだ。

 

さて、中間選挙直前になって突然に現れた南米からの大量の経済難民の集団だが、僕はトランプ陣営が集めたのではないかと思っている。ヤマオカがやった戦略と同じだ。あえて大量の移民を集めて国境に向かって行進させることで、世論は移民の恐怖を感じさせたのではないか。そうなると、軍を差し向けて彼らを止めにかかったトランプは支持される。そういう戦略だったのではないか。民主党陣営がいかに移民に優しくても、このタイミングで移民を受け入れるべきだというのは、アメリカ世論の受けが悪いと思う。やはりトランプの陣営が差し向けたのではないかと僕は漫画イーグルのそのシーンを思い出した。

 

実際にブルーウェーブだと民主党の圧勝予測もあったにもかかわらず、下院で負けるだけで済んだわけで、かつてオバマ中間選挙で上院も下院も敗北したことを考えると、トランプはかなりうまくやったのではないかと思う。

 

外国人技能実習生が実態を訴え 時給300円で残業

 

大阪のなんばに有名なたこ焼きや「わなか」という店がある。僕は30年以上大阪に住みながら今日はじめて食べた。もしかしたら以前も食べていたかもしれないが、とんと記憶にない。たこ焼きは好きだが、騒ぐほど超うまいというわけではなかった。

 

僕に対応した店員二人はベトナム人だった。たこ焼きを作っているのは日本人だが注文聞きはベトナム人がしていた。その近くで牛ステーキ丼を出す店があるのだが、ここの女性店員もおそらくベトナム人、あるいは東南アジアのどこかの人だった。ミナミのドラッグストアに中国人がいることはもはや標準だ。そうでなければ大量の中国人観光客に対応できない。

 

島国であるが故に国境から大量の移民がキャラバンを組むことはない。だが確実に僕たちの生活にいるんだなあと実感させられた。

 

自民党は経済界からの要請で、もはや移民を受け入れることが当たり前といった体制になっている。だが安倍政権の支持者たちは明らかに移民嫌いだ。その結果、永住権はやらないが労働してもいいという折衷案に落ち着きそうで、良心のある人々はその結論に背筋を凍らせている。財界と移民嫌い日本人の妥協案が日本の移民政策となりそうだ。

 

僕は来年ロンドンに行って勉強する。その時、今以上に移民に疲れた世の中になっていたら、移民である僕はきっと浮かない顔しているんだろうな、って思った。