フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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ZOZO前澤氏を反面教師に、知識と教養の大事さを知る

拝啓、ZOZO前澤友作様「1億円バラマキ、本当に下品です」

SNS金配りで権力と名声を手に入れることの代償|ふろむだ@分裂勘違い君劇場|note

これバカスカ叩かれている。僕もZOZO社長は好きではないけど、いろいろ記事を見てひた向きさと人柄で成り上がって来たんだろうということがわかり、そしてその特性がこういう行動を取らせたのだろうと思った。

 

1995年の20歳からの創業。別にエリートでもなんでもない人がコネなし専門性なしでやっていくにはガムシャラにやるしかなかったのだろう。音楽が好きだからという理由でレコードの販売から始めて、服飾品に移り、インターネットバブルの波に乗ってのし上がった。Amazon設立の一年後には創業していて、ネットでの小売りビジネス、場所貸しという意味では同じジャンルの仕事ではある。

 

彼のようにエリートではない人間でも時代の波に乗って大成功を収めるというのは夢のある話だ。そこには人並み以上の苦難があったに違いない。だから簡単に成金野郎と罵倒すべきだろうか、と思った。

 

1億円配付は成金の悪趣味と切って捨てるようなものではない。むしろこれは苦痛の叫び声なのだ。ZOZOの株価はピークから半値までになっている。月に行くだとか、お年玉とか、専用機とかピカソ購入だとかばかりが話題になっているが、業務とは何ら関係のないことばかりだ。お年玉の話題でも分析があったが、これは株価上昇の話題作りなのだろうと。そしてそれを提案している人たちがいる、と。実際に100万円の当選者はどうやらこの短時間で選べるものではないんじゃないかと疑われているし、事前に当選する人がある程度選別されていたのではないかとも噂されている。

 

なるほどなあと思った。確かにZOZOスーツがとん挫して以来、あんまり勢いのいい話は聞かない。オンワードが逃げただとか、各アパレルも自社ビジネスに注視するように準備しているだとかで、先行きが怪しい。ZOZOのオリジナルTシャツとか出しても、ブランド力はないだろうし。東洋経済なんかにもZOZO離れだとか書かれるぐらいだし。

 

ガムシャラが功を奏して大成功を収めた社長だが、ZOZOの次の一手が見えてこない。次の一手があるなら、お年玉で話題を集めようとも思わないだろう。

 

僕は成功者が次の成功を収めるには教養と知識に基づいたピボットが大事なんだな、と思わされた。きっと前澤氏は素直で人の意見を聞く人なんだろう。だから部下の意見を聞いて、ZOZOスーツを進めた。きっと優秀な技術者がニュージーランドの会社を見つけてきて、センサーもあるし実現可能だろうみたいなことになって2017年には話題になった。だがリリースすると結局着るだけでは採寸不可能で、水玉模様のスーツにスマホで採寸するという、ユニクロ社長が言うところの「おもちゃ」だったことが発覚した。

 

Amazonのジェフベゾスのような元々サイエンティストな男だったら、その難しさを理解して徹底した実験とテストを繰り返すだろうが、ZOZOにはそのテクノロジーベースの企業文化はなさそうだ。どちらかというと社長のワンマン、人柄と勢いで拡張した純粋な日本企業なので、だからこそ行き詰っている。

 

で、打開策が成金パワーで注目を集めるという手法なのだろう。これだってgoogle trendで調べればわかるけれど2018年に社長の注目がものすごく集まっているところをみると、こういう宣伝手法を取るようにご注進している部下がいるんだろうな、ってわかる。もともと成金趣味だとしても、それをアピールし始めたのは最近のこと。実際に株価的には一度は成功していて2018年の9月には最高値をつけているわけだけど、他アパレル企業の独立した動きとかでビジネス面では進展がないから下落していっている。

 

アパレル大手が「退店」へ……“ZOZO離れ”加速か 前澤社長「1億円お年玉」で話題も (1/2) - ITmedia NEWS

 

ZOZOは今後上がらないだろうな、ってのは創業企業にありがちな社長の限界が企業の限界になっていることだ。Amazonのジェフベゾスやイーロンマスクがどうして宇宙開発企業を作れるかというと、彼ら自身がテクノロジーを理解している科学者だからだ。イーロン・マスクもインタビューで、仕事の7割は開発なんだって言っている。イメージとは違うけれど、自分自身でモノづくりの参加している、と。

 

少なくともGAFAのような企業に共通しているのは、テクノロジーを信奉する企業文化があってTOPに立つ創業者たちは、複数種類の技術開発と研究所を作り、実験を延々と繰り返している。ZOZOスーツだけに開発資金を投入して、ピカソ購入を自慢するのがメインの話題にしたりはしない。

 

残念ながら前澤社長個人には科学の素養とかを持たないから、月旅行もブランド品を持つように客としての参加だし、英語でのスピーチを見ても努力家ではあるとしても、アメリカで暮らして成功するぞ、みたいな姿勢はない。つまりポーズなんだな。社長の権威づけに過ぎない。薄っぺらさが見て取れる。

 

ピカソを貸し出すにしても、美術ビジネスで儲けるぞ、みたいなプランはなさそうだし。車を買いまくるのに時間を使って高級ワインをパンパン開ける記事も見た。僕だったらこれは終わりだなあって思うし株も買わんだろうね。

 

別に贅沢が悪いんじゃなくって、もっと夢を語れよと思うけど、口から出る夢ってやつは世界平和とか、社長本人がもっとお金持ちになってお金のない世界を作るとか、中身小学生かよ。

 

やっぱりアメリカのTOP企業の違いって、不可能と可能の境界線みたいな夢をテクノロジーベースで語るところだな。実績も見せるってのがいい。月に行く、という夢を語るベゾスもマスクも、実際に毎年実績を見せる。

 

通貨のない世界も、世界平和も結局理想論で、実現するためのメソッドもその進捗を見せることもできないんだな。机上の空論で意識高い系の注目を集めているだけにすぎない。

 

身の程を知るか、さらに限界を超えるかみたいなのは、創業者の能力次第だ。科学の素養がないとネットビジネスってのは実態がないからすぐに他にとってかわられる。真似もされやすい。そのためテクノロジーを基準にした別分野への侵攻が必要なんだろう。それができないと落ちる一方だ。

 

これについては楽天も同じなんだけどね。ネット黎明期の先行者利益でお金を稼ぎ続ける時代は終わろうとしているし、次の時代を生きるためにはテクノロジーの造詣と信仰が必要なんだ。だからお年玉とか、宇宙旅行に行くというだけで注目を集めるのはビジネス的には愚かな事なんだよ。持続性がないからもし部下の広告マン達に言われてやっているならやめてしまって、科学の勉強でもした方がいいんじゃないか。

 

そういう意味では次世代の日本企業が出てこないのは、比較的若い世代でも科学で夢を語るのではなく金稼ぎたい経営者がオラオラやっているからなんだろうなあと思う。

 

大人になっても科学の素養とか分野をまたいだ知識って必要なんだなあ。