フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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使えねぇおっさんプログラマたちの憂鬱

プライベートで勉強しないサクラエディタ開発おじさん - フロイドの狂気日記

IT業界は日本社会の縮図となっているんだよ - フロイドの狂気日記

定期的に憂鬱なシーンに出くわす。

 

結構前に記事にしたんだけど、サクラエディタで開発するというおっさんプログラマがいた。過去形なのは年明けからいなくなっていたからだ。まあ時間の問題だろうな、とは思っていた。彼には小さな子供がいたようだ。同じ子持ちでもデキるフリーランス若者は副リーダーになっているが、彼は今どうしているだろうか。

 

サクラエディタおじさんは伸びしろがないな、と思わせるには十分だった。そして結構な開発者がいるプロジェクトのメンバーとしては最初の脱落者となった。小さな子供を抱えてたって業界柄、つかえねぇおっさんをずっと採用していられるような余裕はない。仕方ねえさ。マネージャーも顧客と進捗遅延の板挟みになって疲れているのが見える。誰も悪くない。つかえねぇのに高い単価を払うわけにもいかないし、それならプログラマガチャを回して次をポップさせる方が効率的だ。ハズレを使い続けるよりアタリを引きにいったほうが効率的だ。

 

新年も明けて、休みボケも治った今日この頃、次々に使えないおっさんプログラマが馬脚を露している。まず僕の正面にいる太った男は、そこまでおじさんではないだろうが、(20代中盤もしくは30代にも見える)このプログラマが何度となく設計担当のリーダーに詰め寄られている姿を見せている。端的に言って作業が遅い。彼が遅いのでその仕事が僕に向けられているようだが、僕も年末からの作業がヘビーで余裕がない。太った男は毎日の朝会ですら報告がうまくやれない人で、もう使えなさ丸出しなのだ。伸びしろも多分ない。

 

次切られるとすれば彼だろうが、僕は見届けないかもしれない。僕自身は家庭の事情(ということにして)契約を打ち切ることにした。だからいなくなるのは僕より後か、僕と同時期かとなる。サクラエディタおじさんが目立っていたけど、彼もたいがい作業が遅く、設計担当者と些細なことで怒り気味のやりとりをしていた。

 

さてそんなことを眺めていたら、別の島で僕をかつて怒鳴り散らしたマネージャーが別のおっさんエンジニアに怒っていた。PMは一度振り切ると怒りを隠さないタイプで言葉でもストレートに表明してくる。おっさんは設計担当として雇われているが、コーディングをしているのかどうかはわからない。おっさんは本当におっさん然とした人で、立ち飲み屋とかでクダをまいていても不自然じゃないほどの日本のリーマンだ。年齢は40後半か、白髪や顔のしわを見るに50代かもしれない。初めての挨拶の時から、これぜってえ使えないオジサンだわ、と思っていた僕は慧眼である。できない人を見分ける術が身についた。そしてそれが露呈するシーンは何度みても胸糞悪いものだ。

 

「子供じゃないんだから」

というPMの一言はリーマンおじさんの血圧を上げるに十分だっただろう。はるかに若いPM相手に何も言わず、怒らず、キレず、作業に戻る。年齢と実力から考えるに、キレてどこかに行こうということは難しいかもしれない。耐えるしかない、という表情ではあるが、彼が切られるまで猶予はなさそうだ。能力がないと仕事を仲介する奴隷売買担当だって足元を見たり小ばかにしたりする。だから耐える。

 

僕のように、作業が早ぇーんだから好きにさせろよ、という態度は中々とれる人はいないようだ。僕とてイキった割にはその後の作業はかなり手こずっていて、フレームワークを使いさえしないこの古びた開発環境にうんざりしてきた。そして僕は去る。

 

百戦錬磨オジサンというのもたまにはいるが、ダメなおっさんの方が多い。そして僕もどんどんそういった人々を先輩としてではなく同僚としての立場で見ることが増えてきた。世間では昭和の価値観にどっぷりつかったおっさん達の排除が進んでいて、職場でも無能者は結構惨めだ。能力がないとやはり惨めだ。おっさんの居場所は急速になくなっている。飲み屋だって金がなければふんぞり返ることもできない。ただ貧乏な酔っ払いほど迷惑に感じられるものはないだろう。

 

デキない彼らを見るたび、そちら側に足を踏み入れそうになっている自分に戦慄する。まだ大丈夫と思いたいが、今年33歳になる。年々、能力評価のハードルが上がっているが、ついていく能力は下がっている。使えない扱いされているおっさん達だって若いころはイケていたのかもしれない。技術の進歩が彼らを老いぼれにしただけで。

 

僕はそうなりたくないんだけど、もしかしたら。僕より若いやつらが真面目で作業速度も悪くないと、態度ばかりが悪い僕は無用の長物じゃないか。朝も起きたくない僕が真面目を売りにすることはできないし、今更正社員だなんてなりたくもない。どこかで我慢や妥協が必要だが、年中いやいや期の僕は人生に妥協なんてしねえ構えでいる。

 

だが時折目の前に現れる使えねぇおっさんプログラマが、僕の性根にバットでフルスイングしてくるんだ。そしたらちょっとため息をついて、祈る。

 

ああいう風にはなりませんようにと。