フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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日韓もし戦わば、悪役になるのは日本

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隣国がマジキチムーブを繰り返すことに対応する際、参考になる政治家がいる。

1930年代後半以降のイギリスの首相であるチェンバレンチャーチルだ。

 

1930年代後半、当時イギリスはナチスドイツの脅威にさらされていた。ドイツの拡張に対してどのような対応をとるか迫られていた。チェンバレンは融和を、それが失敗するとその後の首相チャーチルは対決を説いた。

 

ヒトラーと融和したチェンバレンの評価は低い。しかし彼が融和をしたのはのっぴきならない事情があったからだ。それは財政問題である。日本では地味な扱いのWW1であるが、ヨーロッパでは地獄の戦争であり犠牲者数も膨大である。当然戦勝国になったイギリスとて莫大な犠牲者を出し、多額の戦費負担があった。おまけに戦後賠償をドイツが支払えないため、出費だけした戦争であったわけだ。そういう苦い経験から、なるべくヨーロッパの隣国とは戦争しない方が良いとい認識があったわけだ。

 

いかにナチスが横暴でもドイツ近辺で暴れさせておけば満足するだろうとの考えであったがそれは無駄であった。ナチスは増長し、ヨーロッパ全土の支配を目論んでいることが明らかになった。続いて登場したチャーチルナチスとの完全対決の姿勢で臨んだ。

 

Never, never, never, never give up

 

である。歴史の知る通りチャーチルナチスを粉砕した立役者として、ソ連スターリンアメリカ・ルーズヴェルトとともに有名な写真に納まっている。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3c/The_Yalta_Conference%2C_Crimea%2C_February_1945.jpg

 

だが状況はこの名誉とは裏腹であった。チャーチルが粉砕したのはナチスだけでなく、自国の財政も粉砕した。イギリスは戦中からアメリカからの借金なしには戦争を継続できないほどの財政状況だった。戦後も屈辱のアメリカ詣でを繰り返して、金の無心をして復興をしていた。もはや植民地の独立ラッシュを止めるほどの財政的余裕がなかったため、大英帝国は完全に消滅した。日本やドイツはアメリカの手駒になるためとても寛大な支援を受けたが、アメリカは英国の覇権に止めをさすため厳しい対応をとったのだ。

 

さて日韓問題である。当時の英国の板挟みを思えば、日本もよくある歴史的経験をするのだなあと感慨にふけることもできる。我々は隣国が頭のおかしい行動をしたときに、融和すべきか、対決すべきかという問題に直面している。

 

レーダー照射問題は韓国の反日思想が根幹にあるのだろう。日本相手には譲らなくてもよいという精神。これを満足させるためにはレーダー照射を不問にし、歴史問題で徹頭徹尾陳謝を続けることである。きっと反日精神をもった人々もつけ入るスキがなくなるだろう。これが考えられる最大の融和だ。

 

だが日本にドイツほどの徹底さができるか?できたなら最初からしている、というのが答えだろう。日本はドイツのように過去を切り離すことができなかった。僕の見立てでは従軍慰安婦だろうが太平洋戦争だろうが、日本人の半数は反省などしていない。そんな日本が建前だけでも謝罪と賠償をしてきたのは快挙としかいいようがない。日本はできる限り最大の「譲歩」をしてきたのだ。そしてその効力のタイムリミットがきているのではなかろうか。

 

中途半端な歴史対応が、韓国の反日勢力を増長させた。大統領支持率回復にも利用された。その結果がレーダー照射問題に凝縮されているように感じる。だが日本を責める気はない。むしろ韓国との平和を80年ほども維持できたことを褒めるべきだ。EUのように二度の失敗から結束を説くような精神は東アジアにはない。表面上の平和維持に腐心してきただけで、根本的な解決は実質棚上げしてきた。つまりここいらが限界なのだろう。むしろ隣国とは常に殺しあいをするが歴史的な常識であるのだから、日韓が常に平和と期待する方が平和ボケなのだろう。

 

韓国が満足するだけの融和は選択できない。日本の歴史認識と韓国の歴史認識は違っている。もはや提供できるものはない。残された選択肢は対決するか、放置するかぐらいだ。積極的対決をすることを否定はしない。だが末路はチャーチル同様、韓国を粉砕した後に残る財政問題である。

 

ミサイル撃つことも無償ではない。戦闘機や戦艦を失えばそれだけで損失である。それだけではない。日本の軍事費が守るべき海に比べて安上がりなのは、韓国が米軍の拠点としての最前線にあるからだ。だが韓国を友好国として失えば、日本は韓国も警戒するためのオペレーション予算が必要となる。噂レベルで言えば、韓国は日本海北朝鮮の支援をひっそりとしていたとも言われている。韓国を罵ることはたやすい。だが韓国を北朝鮮側として考えることは、当然それだけの体制と予算が必要だ。韓国が友好国であるから浮いていた予算はなくなる。

 

本当に北朝鮮を支援したとして、どう対応するのか?海保に逮捕させるか?軍事力をもって抵抗されたら?放置するなら黙認するということか?そうなるとテロ国家制裁との整合性はどうなる?次レーダー照射をしたときは報復にでるべきか?韓国海軍と接触するときは予防的な攻撃も視野に入れるべきか?というように何をするにも人材と金がいる。信頼する友好国ならこのような心配も予算も無用なのだ。それが韓国が日本にもたらしていた国益だ。

 

偶発的であれ意図的であれ、日本の自衛官か韓国の軍人が犠牲になれば、世論の友好ムードは終わる。ギクシャクではなく、現場レベルでも恨みを残すだろう。それらが完全に癒えるまで、戦闘行為を避け、外交努力を積み重ねるのにどれほどの月日が必要であるか。いずれにしても感情論など無意味であり、必要なのは巨額の金である。

 

いくらネトウヨが韓国を嫌い非難しても、彼らが味方であるがゆえに使わないで済んだ金がある。この高齢化のご時世に、追加の軍事予算が必要になってくるのではなかろうか。そのためイケ好かない彼らを叩きのめすことができても、長期的に疲弊するのは日本だ。

 

さらに言えば、戦闘行為が偶発的に起こったとして、国際世論が一方的に日本の味方になってくれるとは思えない。ネトウヨあたりは日本の自己イメージを肥大化させるが、昨今の韓国のソフトパワーの向上はすさまじく、アジア圏では韓流ドラマ、KPOPが流行っているし、僕がイギリスにいた当時の英語の先生も韓国のサムスンを愛用していて、昔と違って日本と同じくらい豊かになったと褒めていた。対して日本のクールジャパンのように政府主導のイメージアップの下手くそさは折り紙つきである。誰も支持しない歴史戦を繰り返したがる日帝スピリッツも健在だ。レーダー照射については日本が正しいけれど、その正しさを世界に伝えられる能力は果たしてあるのだろうか。

 

民主主義で先進国、豊かな国同士がぶつかった時、世界が一方をならず者として扱うことはないだろう。そしてその後の外交戦で日本は分が悪い。日本は自分たちの信頼性を過剰評価するが、歴修正主義の常連国である。日本の政治家は終わったことを蒸し返しては自分たちの戦争の正しさをアピールしたがる時が数年に一度あり、その結果、韓国や中国だけでなくアメリカや国連からも指摘を受けることがある。もし韓国が、日本の歴史的経緯を盾にアピールし始めたら同情を集めるのは韓国かもしれない。

 

もう一つは軍事力の強さ、国家の巨大さは日本が上であり、もしも韓国をワンサイドゲームで鎮圧した場合、弱い者いじめに見えるのではないか。特に海軍力で日本が遅れをとることはないのだから。歴史的に蹂躙された国が一方的に鎮圧された時のリアクションは東アジアと欧米では違うだろう。東アジアは水に落ちた犬を叩く傾向がある。日本とて弱いものが吠えるなという精神性がある。そのため弱い韓国が日本に立ち向かう姿を馬鹿にするだろうが、世界世論は日本に味方するようには思えないのだ。

 

蹂躙された歴史と、日本の歴史修正主義を指摘しながら同情を引くような宣伝を繰り返せば、何らかの譲歩をさせられるのは日本のように思えてならない。レーダー照射問題は、日本で盛んに報道されているが、韓国ではそうでもないという。僕は英語の新聞もチェックしているがレーダー照射問題の報道は見かけない。日本関連ではカルロスゴーン逮捕報道が目立つ。日本ではとても深刻だが、世界では大した話として扱われていないという認識差がきっと仇になる。「大したことでもないのに韓国を叩くのに利用した」などと思われたりはしないだろうか。

 

将来「日本の正義の思い込み」が遺憾なく発揮されるだろうとも思う。だいたい日本は自分たちの考えに世界も賛同すると思い込むところがあるが、レーダー照射という軍事専門家以外が知らなかったようなことを、国際世論を巻き込むための旗印にしても効力がないのではないかと思う。もちろん理は韓国にないが、テロや内紛が頻発する世界においてすごく小さな問題に見えるだろう。

 

今後起こりうる偶発戦争の行方次第だが、韓国が悪いということを世界にアピールするには「シリアの大統領がサリンを使った」ぐらいのキャッチーな理由が必要だ。もし日本が先制して韓国軍を攻撃してしまうと、悪役になるのは日本ではないだろうかと思う。例えありとあらゆる理性的な理由があっても「なんとなく感じが悪い」という扱いを受けそうな気がしてならない。

 

今世論を見ると韓国悪しの論調で誰も彼もが叩く。バッシングだけなら別にいいが、「日本は正しい行いをしているから、世界は日本の味方になるし、日本が利益を得る結果になる」と思い込むならそれは間違いだろう。おそらくこの問題の終着点において日本に利益をもたらすことはないのだから。「こんなに誠意を持って対応して、これだけ努力したのにどうして酷い目にあうんだ!」という被害意識が、きっと外交にも世論にも影響が出る。

 

そんなわけで日本が隣国と平和だったことが異常だったのだと理解し、今まで払わずに済んだ代金を追加で払い、不安定な情勢を受け入れること覚悟が必要なのではないか。