実はこの指摘は結構重要な問題を孕んでいる。元増田は二―トなのかもしれ..
美術館に行って、美術を見て心に衝撃を受けるなんて嘘や。そんなんハチミ..
無償有償含めて凄まじい数の美術館・博物館がある。
半年滞在してもすべての美術館を回ることは不可能だった。小さいものであったりマイナーな美術館は山ほどある。さらにデカい箱だと複数の優良展示を同時進行で運営して、全部別々に有料とかがある。とてもではないが見切れるものではない。
観光客も多いであろうロンドンの美術館運営はどうなっているのだろうか。まず最もデカい建物かつ有名なのは6つ。
ナショナルギャラリー
V&A博物館
自然史博物館
科学館
テートモダン
これらは完全無料であり、特別展示だけ金がかかる。ナショナルギャラリーはロンドンきっての大広場、トラファルガースクエアにドカンとあり、この広場は観光客のメッカ、ライブや社会運動もやる。その目の前にある白い博物館だ。8月9月のサマーシーズンは欧州からもドカッと観光客がやってくる。だからそれなりに混雑している。
しかし、時間帯によっては人だかりができているのは、ゴッホのひまわりぐらいで、奥に行けば行くほどすいてたりする。混雑時はエントランスを閉めて、別の入り口を開放し、人の流れに緩急をつけているようだ。長時間並ぶことはまずない。
V&A、自然史博物館、科学博物館はご近所さんである。道路を渡って隣にある。それぞれがめちゃんこデカい建物である。ロンドンの公園の雄、ハイドパーク南部に位置し、駅の階段を上がれば博物館という一等地を確保しているあたり、さすが芸術のヨーロッパである。いずれも無料。個人的にはV&Aがロンドンで一番良い博物館ではないかと思う。常設展示も凄まじい数だが、優良展示が常に複数運営されている。僕の好きなPINK FLOYDの特別展もやっていたことがある。
ここらも博物館好きなら入り浸れる地区となっている。住むとなったら超高級街であるチェルシー地区と隣接しているので、まあ金がかかる。しかし日本人が想像するイギリスを体現している。アデルが歌うようなロイヤルアルバートホール、ハイレベルな大学インペリアルカレッジロンドンなどもここにある。治安も雰囲気もいい。
3つの博物館は混雑せず見れる。というのはそもそもデカい。デカい上に博物館が密集しているのでうまい事ばらけている。ただし自然史博物館は割と並んだりすることもあるが、それでも10分程度で中に入れる。
混雑しないのは歴史がある故、超一等地にデカい土地を持っている点が大きい。自然史博物館にいたっては1750年代には始まり、その他の博物館も1850年代ごろには始まっていた。建物だけでなく、庭も広い。この広さこそが正義なのだ。大英博物館は確かに並ぶときがある。それでも1時間待ちなんてことはない。どんなに混雑しても30分以内といったところだろう。大英博物館が一番待たされやすいかもしれない。
テートモダンは現代美術専門の美術館だが、元発電所の中をリノベしているだけあってやはり広い。そして寒い。常設展示以外に有料展示がシーズンごとにある。ここも混雑することはほとんどない。
やはりロンドンの博物館が素晴らしいのは、そのアクセスの良さ、庭の広さ、建物のデカさにある。何より重要なのは、ロンドンは実はそこまで混雑しすぎな大都市でないという点だ。比較しても大阪レベルなのだ。グレーターロンドンは土地が広い。そのため郊外まで延々と2-3階建て程度の建物ですんでいる。広い土地を潤沢に使える点は日本とは決定的に違う。人口密度も意外なほど大したことがない。大きいところは大体無料だ。だがあれだけ人がいれば、特別展示とグッズと寄付だけでもやりくりできるのではないか。ちなみに特別展示はモノによるが10ポンドから25ポンドぐらいのものが多い。これは日本円にして1500円から4000円はするので、日本の有料展示は安いのかもしれない。
ロンドンで並んでいて入れないな、と思うのはもっと小さい博物館だ。特にシャーロックホームズ博物館とチャーチルの執務室は観光シーズンは入るのがしんどいと思う。美術館ではないがロンドンアイ近くの水族館は長蛇の列で入れる気がしない。
その他バッキンガム宮殿やロイヤルミューズという女王関連の美術品の見物は時間制だ。チケットを買うときに何時に来いと指定される。チケットを買うため並ぶことはあっても、見学自体はスムーズだ。チケットもかなり高い。
日本の特別展示は1000-2000円以下が多いようだが、ちょっと良い展示なら4000円以上はとってもいいのではないか。ニートだったら無料みたいな確認非効率なことをせずに常設展示は無料とすれば、みんながフラッと入れてよいと思う。基本的に人口に対して建物や庭が小さいのも難点だが、特別展示の値段を高くして人の量を減らすべきだと思う。ロンドンでは高いチケットだとかなり気合が入った特別展示が置いてあるが、たまにすごくしょぼい数の展示で10ポンドとったりする。やはり特別展示で稼ぐスタイルなのだろう。
美術館を中心とした経済圏がヨーロッパでは確率しているので、そういう風に日本もなれればいいと思う。