フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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Googleを見て悟ったプロジェクトで苦しむ理由

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Googleに転職していきなり3ヶ月の育休を貰った - Software Transactional Memo

 

マネジメントと設計の不備に不満を爆発させた2月だった。不愉快な思いをすると常に二度とそんなことになりたくないと思い、反省や対策を考え続ける。冷静に考えるとフリーになってもフリーになるまえの会社員時代も、不愉快爆発が要所要所で起こっていたなと思い出した。

 

個人でコントロールできることは少ないので、その時その時の理由があるとはいえ、僕自身に学習能力がないのか、と疑い始めたとき、冒頭の記事に出会ってようやく悟った。悟るのに10年かかった。ようするに僕自身のエンジニアスキルが並だから、苦労するのである。もし僕のスキルがGoogleから三顧の礼をもって迎えられるレベルであれば、さっさとGoogleに入って冒頭記事のようにいきなり産休とかもらえばいいのだ。

 

何をいまさら言っているんだ?と思われるかもしれないが、僕は自分の頭の悪さ故か楽観主義故か、プロジェクトの炎上はやり方次第で防げるんだ、それを出来ていないのは何かを見落としているからだ、と常々思ってきた。

 

あるプロジェクトが発足し、外注に回す部分が切り分けられた。それが僕などのフリーランスに投げられる。予算に対して納期が短すぎる、と思ったならその時点で試合は終了している。発注元の営業とPMに僕が「納期が短いような気がしますが、伸ばせたりはできるんですか」と問いかける。怪訝な顔をして彼らは「妥当かと思います。仕様未確定の部分はお客さんと相談して、機能を減らしたり、省略したりすることもできると思います」

 

ありがちなやり取りだ。納期がいつまでです、と決められたならそこは動かせない前提でフリーの開発者たちとの面談が始まるのだ。伊達に10年も開発者をしていない。やっぱり短いんじゃないかという勘はあったっているのだ。

 

まず納期が短いというのは、機能に対して予算を割安で受けているのと同じだ。そういうことをするのは開発の元受けの立場が弱いことを意味する。どうしても仕事が必要か、コネを作りたいか、ともかく妥当ではない条件で受けたという事実だけがある。そのプロジェクトの運命は分かりきった話ではある。開発元が妥当ではない金額で受けているなら、その企業の社員の給料はどうなっているのだろう。もちろん少ないに決まっている。給料が良くない企業のPMが果たして優れたPMであろうか。たまたまそういう人がいるケースもあるかもしれないが、予算の少ない企業のPMの腕は良くて並、あるいは下のレベルなのが普通だ。企業の社長と営業は売上欲しさに、プライドと立場を売り飛ばした。その時点でそいつらは下級レベルだ。そしてそこに雇われるPM自身が最高級レベルなんてありえない。最後に雇われる一山いくらのプログラマたちだって同様だ。良くて並、悪くすると教育なんてほとんど受けてない新兵がやってくる。僕が生きている世界の構成要素はそういう風なのだ。足元を見られた納期。下に押し付ければどうにかなると思っている社長。謝ればいっかと考える営業。そういう企業でしか実践を積めないPM、そして哀れな開発者。

 

生物濃縮 - Wikipedia

生物濃縮という言葉がある。小さな魚が工場排水などの悪いものと一緒にプランクトンを飲み込む。その小さな魚をより大きな魚が食べ、ついにはクジラのような最も大きな生物も汚染される。

 

しょぼい予算というのは工場排水のようなものなのだろう。割に合わぬ予算を分配して、組み立てられた計画はPMの立場も精神も疲弊させ、PMからの不十分な指示は設計者を破壊し、間違った設計が開発者たちの心身を蝕み、ついにはプロジェクトそのものをガタガタで不健全な状態に追いやる。そういうことを繰り返してきたのだろう。炎上プロジェクトは炎上原因の生物濃縮のようなことが起こった結末だ。

 

根本的な原因は何かというと自分のスキルが抜きんでたものではないからだ。これは自己責任論ではない。スキル不足の無能者は、それゆえ見合わぬ予算のプロジェクトにアサインされ、短納期では全うできないスキルのPM、SE、PGで組まれたチームに入って最前線で死線をくぐり、わずかな報酬とPTSDを与えられ、次の戦場に行く。そもそもがエンジニアスキルさえ抜きんでていれば、強欲な派遣企業の営業に仕事の手配を頼む必要だってないし、GAFAとは言わないまでも、もっとまともな企業の仕事をできるはずだ。

 

僕は仕事で鬱になった人や、自殺したり、困ったりしている人たちに自己責任論を振りまいたことはないと思うが、天下国家について語るときは、割と日本がそういう状態を選んだんだよ、と突き放す記事を書いてきた気がする。自分たちが望んだ立場にいるんだよ、と。そういう客観的な視点を持ちながら、自分の立場については、PMさえしっかりしていれば、自分が対応を間違えなければ、などと希望にすがってきたのだ。そしてまたもや不愉快な思いをして、プロジェクトから去る日が近づいてきて、冷静になって気づく。

 

そもそも炎上しないという選択はなかったのだ。最善を尽くすことはできただろうが、それでも皆が不満を持たないエンディングは存在しなかった。僕は、ようやく気付いた。冷静に考えるとこれからも、この商売を同じレベルでしている内は、結局のところ最後は炎上して、不満を吐いて消えるか、吐かれて消える。

 

シュタインズゲートが存在しないオカリンの世界線みたいなもんなんだな、と不図感じた。だからシュタゲのセリフの改変をもってこの記事を〆ようと思う。

 


ぼく「無理だよ…前の炎上と同じなんだよ。どんなに足掻こうが結果は変わらない。プロジェクトは死ぬんだ」


営業「どうして!?たった1回の失敗で!」

ぼく「1回!?

馬鹿言うな…俺が何回!

何十回失敗したと思ってる!?

…俺には分かってるんだ。この業界がどれだけ不条理に出来ているか

どれだけ残酷な結末を用意しているか」


ぼく「分かっていた…分かっていたんだ…こうなるって…もう疲れた…疲れたよ」

 

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