フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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映画「スパイダーマン:スパイダーバース」は次元の違うアニメーション映画だった

www.spider-verse.jp

 

皇室最高、日本製品史上主義の日本人レポーターが
「なんでアメリカ人は日本のアニメ映画を見ないんだ」と
文句を言わせようとして、ニューヨークの街に出かけた。
そこで、道行くアメリカ人にインタビュー。
レポーターは「アメリカ人が~~」と言わせたかった。

ところが
「そりゃ、アメリカアニメの方が素晴らしいからさ」
といった意外な意見噴出。頭に来たレポーターがついに

「じゃあ、俺がそいつを見極めてやる」
と東京のIMAX映画館でアメリカ産スパイダーバースを初体験。

 

そしたら
「……我々がこれまで見ていた日本アニメは公園の紙芝居だった」
とレポートしたのである。

※元ネタ

 

僕はスパイダーマンの新作アニメ映画スパイダーバースが封切った翌日、さっそくミナミのTOHOシネマズで見たのである。ネットではすごい映画表現だと騒がれていたので、MX4Dと呼ばれる、3D映像と椅子やらが動く4Dのチケットを買った。3Dメガネも必要で3400円もチケット代がかかったが、最先端の表現とやらのために買ったのだ。結論からいえばIMAX 3Dは必要だが、4Dの動きはいらなかったどころか、映画への集中を奪われた気がする。

 

さて肝心の中身であるが、日本のアニメ映画が竹槍だとするならスパイダーバースはB29ぐらいの差はあるな、と思わせるぐらいの映像表現であった。最近知った話ではあるがマーベルってディズニー傘下に入っていたのだな。主人公のモラレスや女性スパイダーマンもピーター・パーカーもめっちゃディズニーキャラの造形をしていて、ベイマックスとかに出ていても全然不思議ではない感じであった。

 

ただし後からでてくるヤッターマンのブタみたいな、動物スパイダーマンや日本のアニメに意識しているだろう女子高生キャラのスパイダーマンも明らかに画風が違っていて、これありなんだ、と思わされた。例えるならさいとうたかをの漫画にワンピースのキャラが出演するぐらいの場違い感であった。

 

それはともかくありとあらゆる点で、例えば別次元からやってきたキャラクターであるという表現をするための、虹色ブロックでグチャッと崩れる一瞬だとかの細かいシーンだったり、モラレスが蜘蛛に噛まれる場面での、その蜘蛛のサイケなデザインであったりするのは本当にクールだなあと感じる。全般的に表現がかっこいいのである。クールとかイカしているという言葉が似合っている。

 

ニューヨークのビルの上から見下ろす夜景であったり、最後の戦いのときの次元の狭間にいるところのピンク色の空間の「重ね方」みたいなのは3Dでないとその質感を味わえないだろう。さらに漫画的なコマ割をそのまま画面に出したり、Wooooとかいう擬音なんかもいい感じに画面に出したりするところは、実に作品にマッチしている。

 

キャラクター造形もいい。例えば別次元でスパイダーウーマンとして活躍するグウェンなんかはスピンオフでも使えるぐらい美人だし、ピーター・パーカーも中年として出てくるわりにカッコよさは損なわれていない。主人公モラレスの母親も妙に若くて美人なので最高だ。グウェンのスパイダーマンの衣装はそのポーズや、太ももからケツにかけての角度なんかも露骨に映されているように見えて「これは同人化不可避」と思った。

 

文句があるとすれば無難なストーリーの割に、出てくるキャラが多く、特に別次元からやってきたそれぞれのスパイダーマンはぶっちゃけいらなくね?と思った。そのうちの、ペニーパーカーとハムとノワールは掘り下げることもなく、かといって映画自体は結構長いのでアンバランスなのだ。もしかしたらそれぞれのスピンオフを作るための紹介としての出演かもしれないが、絵柄まで違っていてアンバランスにも程があるな、と感じた。

 

グウェンとモラレスと別次元のピーター・パーカーは主人公グループとして見られるが、その他3人のスパイディを出すぐらいなら、モラレスの叔父さんと敵であるキングピンに尺をとった方がストーリーの重厚さが出たんじゃないかと思う。その他、シンジくん並にウジウジと控えめなマイルス・モラレスを延々と見させられるのでイラッとくる感じは否めない。ただし覚醒してからのマイルス・モラレスのスパイダーマン衣装はシリーズ屈指のスタイリッシュさではあると思う。

 

全年齢向けのアニメ映画らしく分かりやすく捻りのないストーリーなのはいいことだと思う。安心して3Dと演出のすごさに集中していられるなあと思った。アニメ全編を通して音楽はやたら流行のスタイルで、もともとポスト・マローンのSunFlowerが好きだった僕としては、ただの挿入歌ではなく主人公が口ずさむのもいいと思った。やはり主人公マイルス・モラレスの年齢が高校生ということもあって、アップテンポで「イカした」「クールな」音楽と演出にして若者感をだしているなあというのはある。マイルスが書く壁の落書きも、流行りのバンクシーを意識した感じになっているのも「今風」を出すためのものだろう。

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とにかく音楽、演出、構成がすべて「若者の今風」を意識しているだろうな、ということがわかるし、それがハマりまくっているのは素晴らしい。エンディングのスパイディ達の映像作品もコメディ調になって良い。

 

このスパイダーバースは単純シンプルに映像が楽しめる作品なのだ。ネットの評価を見ると、IMAX3Dじゃなければ3Dの凄さを楽しめないらしい。なので映画館は選んだほうがいいと思う。僕は見終わった後寝不足もあって頭痛がしたけれども。

 

とにかく2010年代最後にして最高の技術をつぎ込んだ作品は映画館で絶対に見たほいうがいいと思った。

 

9.0 / 10点