フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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労組とかいう暇を持て余した上級市民の遊び

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労働組合の組織について執行部経験者が解説するよ

NTT労働組合は新入社員への悪質な騙し討ちをやめろ

2年加入したNTT労働組合を脱退しました

 

ハードワークの友人は大企業務めである。純粋な日本の大企業のグループ会社なのだが、そこで異常なほど働き、ものすごい売上によって会社に表彰されている数少ない社員なのだそうだ。

 

そんな友人と飲んだ時に言っていた。

「ほとんど売上のない連中に限って、春闘って書いた腕章をつけてやがる」

僕はいう。

「労組の活動かんばらんと、そういう人は辞めさせられるだろ」

 

友人の話を聞くと複雑だ。彼は爆発的に働き、取引先から信頼を得すぎるほど得ている。そのせいでプロジェクトが立ち上がる度に電話がかかってきて頼まれる。BtoBの商売で失敗が許されない単価の高い仕事であればなおさら友人に話が行くそうだ。

 

そうするとどうか、一般的にお役所的だと思われがちな純日本の大企業も表彰やらなんやらまで行くとボーナスの差や手当の差が馬鹿にならない。この前給料を聞いてたまげるほどもらっていることを知った。そういうことを聞くと、TOYOTAであれなんであれ何%の賃上げなど気勢を上げていいる人々が途端に茶番に思えてくる。なぜなら大企業でも成績を上げている人には賃金に反映されるだろうからだ。彼は営業職でありながら技術的な部分をカバーしている。だからこそ立ち上げからクローズまで責任を持ってできる。大企業の看板があるとはいえ、全国の営業部門の中でも数少ない億単位の年間売上を持つプレイヤーだそうである。

 

とはいえ売上を直接出すことのない間接部門もたくさんあり、そういった人たちの昇給保証というところでも労組は期待されているのかもしれない。だがここで思うのだが、先進国はたいてい職に応じた給料を保証する。アメリカドラマで見ることがある弁護士の会社でも、アソシエイトと弁護士秘書と郵便係とパートナー(経営陣)では給料水準が違うし、20年郵便係を務めたからと言って高い給料を貰えるわけでもない。

 

果たして労組があるから、間接部門を一生涯に渡って昇給すべきなのだろうか、と思わなくもない。そして大企業といえども有能な社員に対してはそれ相応に報いているようで、横並びというわけではないのだ。

 

もう一つは労組というのはある程度大きい企業にしか存在せず、末端の中小企業などは実質的に存在などしない。別の友人の会社ではあまりにも質の悪い人材を採用してしまったときはなんとしても追い出すのだ。まあその程度の給与水準でもあるし、当然良い人材など望むべくもない。そういった血みどろでどうしようもない世界が中小零細には広がっている。

 

結果として労組とは、大企業で窓際族であったり間接部門の社員達に再配分するために存在するドメスティックな機関であり、彼らが支えようとしているのははるか昭和のユートピア的世界、あまり働かなくても給料が上がるという桃源郷である。おそらく日本でしか存在しないタイプの。そうして今となっては超少数派でもあり、体力のない富士通などでは有名無実化し、無情な配置転換が行われている。

 

社会全体でブラック企業が減っていくのは歓迎だ。だが話を聞く限り労組が存在するような企業とはそもそもがホワイト基質。特に間接部門となるとのほほんとしたスローライフな世界があるようだ。僕もフリーランスになってからというもの、大企業のエンドユーザーなどと関わることがあるが、IT部門が鉄火場であるにもかかわらず、事務総務などのソフトウェアを使うIT素人の部門はそれはそれはゆとりのあるリーマンライフを謳歌していらっしゃる。

 

そんなわけで労組というのは、ごく一部の企業に存在し、ユートピアを守らんとする上級市民なのだろうが、地獄の釜の蓋の上でキリキリ舞いを踊っている我々とは何ら無関係だし、星の数ほどある中小零細やブラック企業そのものに対してなにかするわけでもないのだ。構造上そのようにはなっていない。

 

存在の耐えられない軽さ。NTTなどの世間的に見れば勝者になった連中が、あれはだめだこれはだめだと言っている。それは天界の住人が、今年のワインの出来について語りあい、黄昏時に悲しみの詩を歌うかのごとくだ。彼らは派遣社員、氷河期、火中の栗を拾うフリーランスなどを代表していない。仮に労組がすべて破り去ったとしても、我々側の人生は変わらないし、彼らが勝鬨をあげたとしても、地べたを這いずり回る人生に変化はないだろう。

 

彼らがいなくなり、資本主義の豚共が鞭を斧に変えたときこそ、もしかしたら革命の兆しが現れるのかもしれないが、現状の労組達がそれなりに勝利を得ているならば、資本主義の長たちがその分のツケを下界の人間どもに回すというだけにすぎない。間違いなくゼロサムゲームだ。NTTの間接部門が昇給すればその分、派遣社員を雇って調整すれば良い話なのだ。

 

だから結局の所、労働問題とは日本全体への奉仕者組織がない限りはうまくいかない。支持もされない。どうせこっち側には関係ないでしょ?という考え方が頭をもたげる。そんな中でいいからぶっ壊せよ、となったのがトランプ支持者ではなかろうか。変化があればいいなあ、とラストベルトに住む人々がアウトサイダーを選んだのだ。

 

日本にはアウトサイダーがいない。多分しばらく来ない。Brexitのようなそれらしいイベントもなさそうだ。ちょっとずつ真綿で首を締められる生活が続くだろう。NTTの方々には下々の民に恩恵がありそうな行動を取ってもらいたいが、その余裕はなさそうだ。彼らの活動の勝利条件が、派遣社員を増やしてコストを減らし、浮いた金を回してもらうということになっているからだ。これは日本各地で例えば公務員でさえこうなっている。公務員はちゃんと昇給しているけれど、同じ仕事をしているハローワークの受付は派遣社員なんだぜ、笑えるだろ。

 

右肩上がりの成長がありえななら、右肩上がりの給料もないのだろう。そしてどうやって昇給を実現するのかというと、立場に格差をつけることによる殺し合いである。労組を組織できる会社に入った勝ち組は、搾取側に回るのみだ。あるいは僕の友人のように能力を遺憾なく発揮して勝ち取るか。

 

どうだっていい。

そんなことより一緒に踊ろうぜ、令和地獄の舞踏場で。