フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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映画「トイ・ストーリー4」2010年代のディズニーを感じざるを得ない作品

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年齢的にいえばトイ・ストーリーとともに育ってきたと言っても過言ではない世代なのだが、この歳になるまで見たことがなかった。トイ・ストーリーを見る予定はなかったが興味が惹かれたことが2つあった。1つ目はネットでの古参ファンの発狂ぶりだった。3における最高のラストをぶち壊しやがって的な意見を見かけて「そんなにぶち壊しなのか?」と気になったのだ。僕は露悪趣味なので人が悔しがって苦しんでいる姿は割と好きだ。(自分の思い入れのない範囲で)

 

2つ目は姉の家で姪っ子と録画したロードショーかなんかでやっていたトイ・ストーリー3を中途半端に見たためでもある。本当に中途半端なところから(バズが頭狂ってから)ラストの箱に戻るとこらへんまで見たのだが、かなりおもしろいんだなあ、と引き込まれてしまった。そこでAmazon Primeの200円レンタルで1-3までをサクッとみた。さすがのPIXARハイクオリティで映画館でみても損のないクオリティだった。90年台発表の初代トイ・ストーリーはCGにキツイものがあったが、それでもキャラとシナリオの起承転結はキッチリしていて一流はいつでも一流だなあと関心した。(天気の子のシナリオは見習ったほうがいい)ここ1週間で見た話なのでバズやウッディに思い入れがあるわけではない。そんな中で古参お怒りの4を見に行った。

 

2010年台後半から猛威をふるい始めたディズニー作品って感じだった。まず違和感はボー・ピープだ。1と2でウッディを慰める優しいボーはいなくなり、足でまといのウッディにブチ切れ、カナダ人スタントマンのおもちゃカブーンの前でなじりまくるという、「あ、これ現実でみたクソ女やんけ」と思わせるキャラクターになっていた。ウッディの立場を、自分に置き換えて、稼げないダンナをなじる嫁みたいに想像すると怒りがこみ上げて、結婚したことを万回後悔する。ま、僕は独身ですけども。

 

1-3までリーダーで取りまとめ役を勝手出て、悪戦苦闘しながらもその役割をこなしていたイカしたウッディは死んで、ただただ足手まといのおもちゃに成り下がっていた。バズはもともと天然基質ではあったが、やる時はやる冷静な相棒だったのに、心の声とか言って自分のボイスボタンをポチポチ押すだけの頭がイカれたおっさんになっていた。どれもこれも強くてカッコいい独立した女性の見本たるボーを引き立たせるためだったのだろう。しかし初代トイ・ストーリーでバズは自分がおもちゃであることに衝撃を受けていて、飛べないこともレーザーを撃てないこともしっていた。そのくせ胸についた音声ボタンをひたすら押しては「心の声!」と感嘆する姿は悪い意味で驚愕である。

 

そうだな、男のリーダーが活躍するディズニーは死んだんだ。おまけにディズニーはすごい新作も作れなくなりつつあるようだ。固く売れるリメイクや続編で女性を引き立てながら大ヒットを飛ばすしかない。スター・ウォーズにおけるアジア人でさえ望んでいない不細工でスタイルも悪い主人公の1人(もはやアジア人へのネガキャンである)だったり、陶器人形だから派手に動かせないため3では出てこなかったボー・ピープを4ではすごい戦闘タイプにして、男ども知恵遅れみたいに振る舞わせるし、赤髪を差し置いて黒人のアリエルで実写版を作ったりする。それは進歩的で希望を与える行為なのだ。

 

視聴者の古参おじさんがどう思うかは無関係だ。受け入れなければそれは古びたオジサンというだけにすぎないだろう。インタビューなどを見るとフェミニズムを強化したディズニーは「次の世代」のリアクションを見据えている。子供の頃から見ればそれに慣れるということだ。黒人のアリエルだって、戦闘的な陶器人形だって太ったアジア人だってクールだと言えるようになるかもしれない。

 

過去から連綿と続くシリーズでポリコレ強化しないでくれ、するならうまくやってくれという気持ちはわかる。だがこれは資本主義的な理由でディズニーが手堅く儲けなければならないという会社事情と、ポリコレを表現に入れなければならないという社会情勢の悪魔合体の結果、頭の悪いバズと情けないウッディができたというわけだ。これは少々不幸ではある。

 

1-3で活躍したキャラクターは事実上リストラされた。最後の作品と監督が名言している割には、今までのメンバーを活躍させなかった。僕は最後の作品だという発言を信じていない。というか株価の低迷がきたら無理にでも作ると思う。そのために新しい鳥と猫?の新キャラを出したんだと思う。スタントマンのカブーンなんかも時期主要メンバーに使えてグッズ展開もできるような伏線に思う。昔からいるキャラはおもちゃなどで利益をもたらすとは思えないし。

 

そういう資本主義的な目線が見え隠れするが、大人だから仕方ないのかもしれない。アナと雪の女王以降、特に強まる新時代の映画作りに沿ったストーリー展開はディズニーを批判するのではなく、おっさんたちが受け入れる時期に来たのだろう。

 

批判とは逆に日本でも記録更新する勢いで視聴されているそうだ。作品としてはそこまで悪いものではないし。これが受け入れられないならディズニースタイルのPIXAR卒業時期なのかもしれない。

 

7 / 10点