フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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シャネルをプレゼント

普段家族にプレゼントしない僕だが、2年ほど前妹にシャネルの化粧品を何個か包んでプレゼントした。彼女はひどく喜んでいた。プレゼントしたのはそれっきりである。なぜプレゼントしたかというのはわからない。妹は化粧がうまくないし、父親に似て不器用なところがある。それを見かねてせめて良い化粧品を使えばいいのではないかと思ったからだった気がする。

 

その年にイギリスに行ったので姉の誕生日にプレゼントしなかった。今年、姉の誕生日をすっかり忘れていたが、LINEで知って不意にシャネルの化粧品を思い出した。妹だけに渡したのはちょっと不平等かな、と思って仕事帰りで百貨店のシャネルまで行った。化粧品コーナーなんて普段行くことがない、どう声をかけたらいいかわからないのでまごついていると、店員さんがやってきて対応してくれた。

 

「姉は子供ができたばかりで」というと「それでしたら」と化粧水や保湿クリームや日焼け止めなんかを色々と勧められた。前回の妹のときは口紅とか下地とかだったが、子供がいる人といない人では勧められるものが違うようだ。子供ができると凝った化粧はできなくなる。だからクリームのようなものがありがたいのだそうだ。僕は男だから化粧のことなんてとんと知らない。そしてシャネルで知ったことは化粧水やクリーム類は高いということだ。口紅やアイシャドウは5000円ぐらいからあるが、化粧水などは最低価格が8000円前後からなのだ。

 

僕は一つだけのプレゼントだと貧相な気がして、2つは買いたかった。色々と聞いた結果、目のクマが気になるというので、そこ用のクリームと、それ意外の顔に塗るクリームを買った。他にも候補はあったが両方とも3ヶ月は持つということで合わせ買った。

 

店員さんは化粧水を猛プッシュしていたが、1.5ヶ月ぐらいしか持たないということでやめた。だが顔用の保湿クリームよりは安かったのでそちらを買っても良かったかな、とあとで思った。

 

会計はプレゼント用ケースが550円もして、全部で2.3万円。3ヶ月使えるとはいえ、さすがのシャネルだなあと思った。だが僕が友人と朝まで飲むと、だいたいこれぐらいの値段はゆうに超える。それはすべて小便と大便に消えることを思えば、化粧品というのはそこまで悪いものではないのかもしれない。

 

僕はいよいよスナック・ラウンジでの飲みというものに嫌悪感さえ覚えるようになった。というより酒がそこまで好きでないのに、高い金を出して次の日体臭と小便を臭くさせながら目覚め、それで何してんだろうと思うあの感覚が我慢ならなくなってきたのだ。

 

付き合いで酒を飲むことを避けるために予定を入れたりするようになってしまった。そういう流れで、家族にプレゼントしても円満な関係になれるんだったらそれでいいかな、という考え方もできるようになったのだ。

 

姉は喜んでいた。姪っ子が活発になってきた。その時に日本の将来と娘について話した。老後2000万必要というニュースは姉も知っていた。そして娘は将来自分でお金を稼げるようにしないいけないと言っていた。結婚して安泰なんて世の中じゃない。だから自分で自立できないとだめと強く言う。僕もそれには賛成だ。だが20年後の日本のことを考えると精神が摩耗される。僕は50歳を超えていて、どうしたって今より衰えているだろうし、健康状態も体力も違っているだろう。

 

そんなときに社会に出る人たちは僕らよりもしんどいだろう。特に20歳ぐらいの経験無しなんてどうしたって安月給だし、買い叩かれる。2040年頃の日本社会なんて人口減少のピークのような時期だろうし、想像もつかない社会情勢になってもおかしくはない。

 

姉が言う。「私はいいけど、娘を助けてね」と。

何ができるんだろうか。僕自身は結婚もせず相変わらずフラフラしているだろうし、両親が死んでいても不思議じゃない。未来を考えると希望より絶望が先にくる。今から何を積み上げればいいんだろう。

 

たまんねえよな