フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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誰かを応援したい欲求

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トップバーチャルYouTuberのキズナアイ、内部の人間臭さが露出してしまいリアルに炎上 : 市況かぶ全力2階建

誰が「Vtuberはスキャンダルを起こさない」と思っていたのか?

 

Vtuberは詳しくないからこの件で茶化すつもりはないが、気づいたことがあったのでメモる。

 

ここ最近、姪っ子と触れ合う時間を得たので気づいたことでもあるのだが、人には「誰かを応援したい」という欲求があるらしい。父性とか母性と呼べばいいのかもしれない。Vtuberやアイドルに限らず、会社の新人の面倒を見たがる人はいるし、自分の子供の教育に熱を上げる人もいるだろう。スポーツプレイヤーにチーム、超有名アイドルの追っかけやバンギャと呼ばれるバンドマンのファンもいるし、誰が知っているんだという配信生主みたいなものから、キャバクラの女まで、考えれば「誰かを応援したい欲求」によるビジネスは多数ある。

 

一番ウェットなのは自分の子供だろう。基本的にはDNAが刻まれているし(男性側はその限りではない)かなりの時間をリアルに費やすことになるし、金銭的な負担も破格である。ソシャゲなんて目じゃないレベルでお金がかかる。その他は個人の財布と時間次第だ。破滅するほど金を使う人もいる。

 

ところでなぜVtuberなのだろう。普通のアイドルでは駄目か。アニメのキャラを嫁ということと何が違うか。僕はここに「永続性」を求めるファンのサガ的なものを感じている。冒頭で挙げた2つ目の記事にはスキャンダルについて書かれている。内容について問わないが、スキャンダルなるものが応援対象そのものを潰してきたものは確かだろう。長く平和に応援し続けたいとファンは思う。しかし現実の人間には寿命があり若さがあり、結婚をすれば事実上引退、恋人の影がちらつくと応援する気が失せる、わかっているが偉いさんとの怪しげなお付き合いが聞き漏れることもある。アニメのキャラは原作小説の終了や中断、アニメ化した範囲のみが応援対象となり、活動という意味あいではかなり限られている。

 

そこである種の永続性の保証として、Vtuberを応援するという選択肢を取るのはわかるのだ。彼らが応援する対象をなぜ実際の人間ではなく、半分デザインの皮をかぶったコンテンツを選ぶのかというと、おそらくはファンなりの永続性へのチャレンジではないかと思う。アニメキャラとは違って、コンテンツとストーリーをかなり高頻度で増やすことができ、ある程度人間部分を分離させることができる。少なくともキズナアイなら年をとっていくこともないし、「そろそろ結婚では?」などとヤキモキすることもないだろう。中の人がいる以上、不慮の死などはありうるが、それでもスムーズな交代ができないわけでもない。大事なのは音声、脚本、デザインである。

 

Vtuber周りで失敗したり人気が失墜したりしているパターンは中の人に依存しすぎたキャラではなかろうか。中の人が唐突に入れ替わると、キャラクターそのものが崩壊してしまう。それは運用の失敗と言えるし、それならVtuberは中の人の容姿を強化するだけのアバターでしかないと言える。今までのアイドルや生主や声優業と違いはないことになってしまう。

 

Vtuberだけが持つ可能性として、中の人に依存しないでアバターのように、魂側を入れ替えることによってファンの寿命ぐらいは存在が永遠の若さとともに持続するかもしれないのだ。これは非常に興味深いアプローチと言える。

 

僕が思うに今はVtuberは芸能界ライクな人たちが運営に関わっているから、まるで芸能人のような扱いしかできていない。問題を解決するのに必要なのは、テック企業の精神だろうと思う。つまり魂の部分をAI化することができれば、中の人に依存しないビジネスができると言える。一度作った魂をいじくり回さないのであれば、永続的なコンテンツでいられるし、AIであれば人に依存する必要もない。最終的には声の部分にナチュラルな合成音声をあてることができれば、声優の印象にひきずられることも劣化することも、死別することもない。いずれにせよ芸能界ライクな人たちが運営する以上は、中の人強化アバターとしてしかVtuberは機能しないだろうから、この手のスキャンダルとは尽きないだろう。

 

だがもしコンテンツが永遠の命を手に入れたなら、今は興味をあまり持てない僕もちょっと追いかけてみようかと思う。人間は不変でいられないから、中の人の立場やキャラクターや老化前提のコンテンツにお金を費やすと、いずれ後悔がやってくる。それを避けられるというのはかなり革新的ではないか。

 

人間をサイボーグにするよりは遥かに現実的でもある。