フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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台風19号ハビギスが明らかにした日本の一極集中

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ここ2-3日というもの僕は久々の「祭り」で臨場感を味わうためにネットとテレビの垂れ流しに勤しんだ。数日前から日本史上最強の台風がやってくるということは言われており、ネットではそれが近づくにつれて盛り上がった。

 

なぜこの最強台風が僕の観測範囲でやたらと盛り上がっていたかというと、東京周辺を直撃するからである。これが九州だったり東北ならほどほどだっただろうが、災害に当たりづらい位置にあり、実際に滅多なことでは被災しない東京に直撃する可能性があったからだ。

 

盛り上がるのは東京近辺で住んでいる人が多いということもあるが、あの東京がついに災害に打ちのめされるのか、それとも最大都市の災害対策が功を奏するのか、誰もが興味を持っていた。下馬評では千葉が今回もひどい目にあうだろうということで、アメリカの予測や気象庁の予測進路を引っ張り出しては、ブルーシートに覆われたあの家々がひどい目にあうのは可哀想だなあと同情しあっていた。

 

しかしながらたくさんのネットウォッチャー達が関東がひどい目にあうというのを期待していたのではないかと思う。近づくにつれて色々と情報が錯綜した。それぞれの勝手な想像でレスをぶつけ合っては煽り合っていたのだ。

 

・関東に来るまでにショボくなって期待するだけ無駄だ。

・名古屋あたりにぶつかって壊滅して、関東の被害は小さくなる

・千葉に直撃して東京は無事だろう

・ひどい大災害になって関東がめちゃくちゃになる

 

とまあこういった意見を言い合っては、災害対策の準備を促すようなレスがたくさんあった。もちろん来るまでにどういう経過をたどるかはわからない。実際に進路予測は何度も西へ東へ微調整が加わった。台風というのは東側の風が強いということでどの地域が東側になるかでも盛り上がった。

 

1日前になるとほぼ関東直撃が確定し何の理由かはわからないが、勢力が上陸前に弱まる、準備は大げさすぎるというレスが大量に増え、半ば荒らしのようになっていた。僕は昼夜が逆転しているので、深夜になるまでウォッチしていた。そして深夜から朝方にかけてあの巨大な雨雲が静岡に近づいているということが明らかになり、そして台風から離れているはずの大阪にも雨が強く降り始めた。あまりにも日本の広範囲に雨が降るものだから、これはただならん台風だと確信に変わり、準備が無駄だという意見は消えていった。そして増えたのが、どの程度関東圏を破壊するかということである。

 

みんな非日常にウキウキし、おまけに休みの日とあってレスが増え続けた。やがて静岡で大量の雨が降り出すと、それぞれの地方の人たちが自分たちの地域の人たちとつながっては語りだす。まだ台風が上陸していないのにも関わらず、恐ろしいほど川の水が増えていると情報が入りだしては、恐怖を高めた。そして千葉が大量に停電し始めたというニュースも流れた。

 

昼頃に起きると、いつ川が決壊するかという期待に変わっていた。千葉や大阪の台風で恐れられた強風ではなく、まるで伏兵だった雨による大災害がどの程度の規模になるか、みんな期待していた。以前から言われている江東5区は水に沈むかもしれないということも語りだされた。そうして夜が老けていった。

 

台風が日本列島の外に出た今、夜明けの被害がどの程度かを待つ段階になっているが、一つ言えることはネットの住人たちが期待したほどのことにはなっていないということだ。そうだ、僕ら地方民は東京一極集中に心のどこかでうんざりしていて、それを打破するきっかけを求めていたんだろうと思う。適当な答弁の政治家達に、たかだか5cmの雪で大騒ぎする中央のマスコミに、大量の人間を奴隷トロッコに押し込めて効率よく利益を吸収する土地持ちに、日本だけで威張り散らす起業家に、誰かが懲罰を与えないかなって期待していたんだ。いつだって災害を受けるのは地方だ。思えば311も東北だったし、胆振地震は北海道、熊本の大地震、新潟の大地震、今年の千葉の台風。いつでも地方が叩かれる。来るぞ来るぞと言われ続け、東京防災なるパンフレットまで配っているにも関わらず、東京にさしたる被害のでる災害はなかった。それこそ前回は東京大震災に遡れるほどに自然災害はなかった。

 

そして今回ついに史上最強の台風が東京を叩く時が来た、そんな空気感があったがその期待は台風とともにに去ってしまった。さすが日本一の都市であるので災害対策への金のかけかたも、今まで知らなかっただけで莫大なのだ。治水工事を徹底して行っていることが広く知れ渡った。それが今回の台風ハビギスが与えた認識である。

 

確かに多摩川など少しは氾濫した川もあった。だが最初に音を上げたのは神奈川と静岡だった。おそらく夜が明ければそちらの水害がひどかったことがわかるかもしれない。関東を通り過ぎた頃、まだ台風が到着する前に福島や茨城のダムや川が危機的かもしれないというニュースが流れ、台風が通り過ぎるまで粘りに粘った多摩川やら荒川の治水能力が際立った。

 

地方民やあるいは関東圏の人さえ期待していた大災害による、東京が恐怖に陥るということは現実にはほとんどなく、大抵の場合地方の被害がそれを上回るという考えれば当たり前の現実がそこにはあった。復旧スピードも対策に使った金も人材も東京はあるが、地方にはないのだ。

 

この結末を見た地方の若者は例え家賃が安く貧民達が集まる江東5区であれ、地方でい続けるよりも災害に強いのかもしれない、そんなふうに思っただろう。今年の災害を見て千葉の南部に家をローンで購入しようなんて思う人がいるだろうか。神奈川の川崎市でも全員避難勧告が出すほどの水害状態だったのだ。神奈川でさえ東京の治水能力には及ばないのだ。

 

台風が来る前は、地球温暖化による最強の台風が毎年来るようになったんだという意見が結構見られた。もしこのハビギスが徹底的に水害で東京を苦しめたなら政治も変わるかもしれないなんて期待があったのだ。しかし史上最強をもってしてもこの程度というレベルだ。これなら毎年くると確かにしんどいが、遷都するとか人々を分散させるということよりも、東京の治水能力と復旧スピードを上げる方に傾くだろう。またもや一極集中の予算が出来上がるのだ。温暖化の影響も、まあこんなもんかというふうに政治家たちは思うだろう。ヒヤリとするが所詮は1-2日の話。

 

ついに台風も豪雪も夏の気温上昇も東京一極集中を是正する力にはなりえないということがわかったのだ。あとはいつ起きるかもわからない巨大地震だけがゲームチェンジャーになりうる可能性を秘めている。それ以外の災害は、スウェーデンの少女が怒り狂うほどの温暖化も日本の政治を是正する理由にはならないだろう。まさしく最強都市として完成されていることを台風19号が示したのだ。そしてこの脆弱な地方諸都市に日本の若者が住む理由もなくなった。都市部の方が復旧も対策も進んでいるのだ。

 

ニュースでは増税前から始まっていましたと言わんばかりに業績悪化と受注減少の情報が出始めている。中央集権にマスコミも企業も箝口令を敷かれているかのように都合の悪いニュースは目立たないようにされている。まさしく台風の特集しか流されていなかった今日、福祉予算の1400億ほどの削減がひっそりと発表された。

 

また不況が始まる。そして地方はさらに脆弱化していくだろう。