フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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チェンソーマンに見る愚か者として生きること

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去年ごろからアプリでジャンプを購読しているのだが、おかげでコミックを買うようになった。今はチェンソーマンと呪術廻戦がお気に入りだ。今回はチェンソーマンについてちょっと語る。

 

チェンソーマン」は悪魔と人間の戦いの物語だ。色々なものの悪魔がでてくる。例えば銃の悪魔、チェンソーの悪魔、最近だと皮の悪魔なんてものも出てくる。悪魔は人が恐怖するものが実態かしたものだ。悪魔と人間は契約できる。人間が悪魔の要求するものを提供すれば悪魔の能力を使うことができる。

 

チェンソーマン」では一瞬にして何百万人の命を奪った銃の悪魔を倒すために存在する日本の公安に、悪魔と人間が同居している悪魔人間であるところの主人公・デンジが入隊して、銃の悪魔を倒すための準備や、人間に被害を与える悪魔を狩るファンタジーだ。コミックスは5巻までしか出ておらず、物語の確信には迫っていない。ただし主人公デンジのような不死身の悪魔人間は非常に珍しく特別で、物語のキーとなっている。

 

僕はこの漫画を見て素晴らしいなあと思ったのは、愚か者の書き方が上手いことだ。デンジとその相棒の魔神・パワーは両方ともものすごいバカなのだが、それがすごく魅力的だ。デンジは16歳で性欲に忠実だ。公安の重要人物で上司のマキマさんと付き合いたがっているが、デンジの心臓を欲しがる悪魔人間の美人に惚れてしまったり、酒乱の先輩美人とキスするために悪魔退治に精を出したりと、浮気性である。

 

「心はマキマさんのものなのに体が言うことをきかねえ、チクショウ」

というような言葉に見られるように、自分を好きになってくれる人が好き、自分の面倒を見てくれる人の味方、というような価値観を持っている。

 

「楽しく生活するために生きている」

「うまいものを食ってれば幸せ」

そんな感情だけで生きていて、居酒屋メニューでもウメえウメえと食べるデンジはすごくいいキャラだ。小難しいことは考えずに公安の命令通り悪魔をぶっ倒せば、給料がもらえて三食飯が食える。だから悪魔を倒す。そんなデンジの姿を見ると、ああ、いいなあ、僕もこう生きれたらなあ、と思うわけだ。

 

毎日毎日政治ニュースを見て、憎しみを勝手に増幅させたり、キャリアを少しでもよくするために勉強しないといけないと不安になったりせず、三食うまい飯を食えたら最高ハッピー、人生楽しい、そんなふうに思えたならなあ、なんて思う。

 

まあジャンプ漫画らしく、主人公が特別な存在という前提になりたっている生活ではある。デンジが特別な理由はまだ明かされていないが、ミステリアスで異常に強い4課のマキマさんがコントロールしている、レールを引いてくれる、だからこそバカでいられるというのもある。それにデンジは16歳で単純バカで少年だ。僕らもそうだったけど、男子が一番バカで性欲的でカワイイ時期なのではないか。振り返れば若さあふれる年だ。だから大人もイライラしながらも甘やかしてくれる。

 

大人になって色々経験すると、バカものとしては生きられない。マキマさんみたいなレールを引いてくれる大人もいなくなって、独立独歩生きていかないといけないし、後輩を指導する立場になったりする。おっさんになるとバカすぎてはいられないのだ。

 

それだけでなく同じミッションを持った仲間たちと共同生活を送っているのも羨ましい。実質ヒロインなのに虚言癖差別主義者のパワーと仲良く暮らしているのも羨ましい。なんか和気あいあいと単純シンプルに共同生活をしながら、ウマい飯さえ食えればハッピー、みたなのは何だかいいなあと思う。難しいことを考えずに生きられるって素敵だなあなんて思う。自分がそうありたかったものがこの空想の世界にある。だから毎週ジャンプを買ってしまうのだ。

 

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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