フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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年々、父親に似てくる

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僕の父親は内向的な人であまり積極的になにかをするタイプではない。本と車を使わないちょっとした旅行が好きで、テレビでNHKの歴史番組や政治討論番組を見るのが好きだ。おしゃべりというわけではないが、しゃべれないこともない。

 

ここ数年の僕の生活は父親にかなり近いことになってきている。テレビを見ないかわりにはてブやニュースサイトを見ているぐらいだ。車は持ってないし、旅行は時折バイクで行くぐらい。スポーツはしないし、アウトドアなどもしない。

 

世の中には工作好きというのがいて、例えば家のちょっとした細々としたリフォームや修理をやる人がいるが、僕は業者に丸投げ。家の中をいい感じのインテリアを揃えて自分の空間にこだわる人もいる。僕はというとミニマリストを気取りたいわけではないが、モノがあることにイライラしてきている。コードの多さだったり、ホコリが溜まりやすい棚であったり、全部捨てたい。

 

低燃費といえば聞こえはいいが、年々本当に何のやる気もなく、ただ無意味に文章を書いたりして、後は寝るだけだ。食事を作ることもない。最近新しいことやってねえなあ、と思うけれども何をするということもない。

 

ああ、これかあ。これが母親が嫌いになった父親の姿か。アクアリウムしたり、土いじりをしたりする母親と違って、僕はもはや何もしないことが目的化している。スモールビジネスだって人間関係や社会との接点を限りなく小さい方針で進めているし。酒を飲むこともしないし、水商売に金を使うのもできる限り控えるようにしている。映画館でオレの人生を映しても何もしてないに等しいので観覧する人はいないだろう。面白い人生はまったく生きていない。そして年々、面白い人生を生きようなんて価値観さえなくなりつつある。

 

「愛の不時着」というドラマを知っているだろうか。Netflixで今年度のランキングをずっと一位をとっている韓国ドラマだ。今8話までみた。東アジアの価値観だろうか、漫画チックな展開・設定も多いがおもしろい。

 

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このドラマの好きなところは主人公のリ・ジョンヒョク中隊の部下4人組が北朝鮮の日常を謳歌するところだ。そういったシーンでは常に韓国(北朝鮮?)料理が出てきて、自分たちで作った料理を伝統的なお椀に入れてみんなで食べる。川でカニや魚を捕まえたりするし、安っぽい焼酎で乾杯するし、都会的贅沢とは程遠い。それは作中でも財閥の娘であるヒロインの韓国でしてきた生活とは対比的に描かれている。

 

現実がそうとは言わないが、牧歌的な田舎生活が良い風に描かれている。そんな時はそれぞれが作業をするし、ようは全員が役割をこなす。軍人だから料理をする工作をする。僕にはそういう友人とか家族もいないし、そもそもアウトドアであれやこれやをするだけの知恵も経験もないのだ。

 

つまり都市部にある部屋の中で、コンビニとかスーパーとかに生活コストをすべて捧げて、仕事さえネットがなければできないという都会に最適化された人間というわけなのだ。そういう人は多いかもしれないが、僕はそういう生き方が生ける屍みたいだなって感じてしまう時がある。

 

自然の中に行こう。自然の中で生きられるようになろう。などと思って田舎に移りすんで失敗した人たちもたくさんいるのだろうけど。

 

範囲の狭い都会に最適化された男というのは生き方としてどーなんだ。そういう生き方で老年になった父親という例がいるわけだけど、なんだかなあ~。言葉にできないんだけど、なんだかなあ~。