フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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映画「ラ・ラ・ランド」すべてが普通の映画

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アマプラで見れるのだけれど、いつか見よう見ようと思って見ずにいた。本当だったら映画館で見ててもおかしくなかったのだ。最近ブラウジングの量がひどすぎるので、それをするぐらいなら吹き替えで映画を流しっぱなしにしているとマシじゃないかと思って流し見することにした。端的に言って別に見なくてもいい映画だった。びっくりするぐらい普通、何一つ特別なことがない映画だった。

 

ラ・ラ・ランドとはロサンゼルスだとかハリウッドのことをそう呼んだりするそうだ。

 

頭の固いジャズオタクのセバスチャンがロスでジャズバーを開きたがる。女優になりたいミアは延々とオーディションを受けては落とされる。そうして、いつしか夢を諦めるようになり、セバスチャンは自分の望んだ演奏タイプではないバンドでピアニストとしてお金を稼ぐ。一方で自分の脚本を書いて演劇を作ったが客はガラガラで屈辱を感じるミア。もう諦めようとしたところ、演劇を見た大物から声がかかってオーディションを受けて、というような展開。

 

ミアとセバスチャンは付き合っていたが別れて5年後、セバスチャンは念願のジャズ・バーを運営し、ミアは女優でダンナも子供もいて金持ちになっている。ダンナと偶然入ったバーがセバスチャンの店で一瞬の走馬灯の中でセバスチャンと家庭を築いている夢を見る。

 

ジャズオタクの物語で有名な「セッション」と同じ監督が作った作品なのだが、セッションが映画としてもおもしろい作品なのに対してラ・ラ・ランドはミュージカルとしても映画としても微妙。微妙ポイントはいくつかある。

 

ミュージカルだけど歌われる音楽がどれ一つピンとこない。見たばかりなのに思い出せない。それぐらい特徴のない歌が多かった。唯一ジョン・レジェンドが歌っていたものだけがポップでかっこよかったし、セバスチャンが演奏するソロパートもクールだった。

 

次にロサンゼルスで苦労する姿というのに面白みがない。おしゃれなカフェでバイトして、オーディションのときは何とか交代してもらえるし、酷い仕打ちを受けるわけじゃあない。ミアがシェアして暮らしているアパートも悪くない。オーディションではセリフの途中で帰らされるとかもあるけど、よくあることだろう。おまけに親がそれなりの中産階級だし。セバスチャンは古典的なジャズが好きな堅物だけど腕はあるので、音楽の方向性を妥協することで週休1000ドル+歩合と好条件で雇われるわけで、悲壮感があまりない。

 

つまるところ最大級の夢を叶えられそうにない、というだけで、中流的な暮らしはすぐにでも可能という贅沢な悩みだなあ、という感想が出てくる。

 

このまま2人が結ばれるかと思いきや、エピローグで別々の道を選んだことが明らかになるのは、意表を突かれてよかった。2人ともそれぞれ夢をつかめたのでハッピーエンドなのだが、ああ、そうですか、という何の感嘆もわかない。The Endと表示された時間がジャスト2時間なのは良いと思った。

 

個別のエピソードやシーンにいたるまでが平凡、音楽も平凡、衣装も役者も特別うまさを感じなかった。エマ・ストーンライアン・ゴズリングも有名だけれど、めっちゃスゴイ!とは思えなかったのだ。衣装も景色もオシャレだけどずば抜けたもんじゃないし。なんというかすべて赤点ではないけれど、抜きん出てはないな、というような映画だった。

 

5点 / 10点

 

ラ・ラ・ランド(吹替版)

ラ・ラ・ランド(吹替版)

  • 発売日: 2017/05/26
  • メディア: Prime Video