フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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成長の螺旋から逃れられない

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お盆は墓参りの季節だ。

同い年の仲の良いグループで一人、若くして死んだ。もう3年になる。こうなると皆でお墓参りに行くことが年に一度のイベントになった。どんなに忙しくてもお盆休みなのだから時間を合わせられる。だから顔を合わせることもかねてお墓参りからの飲みである。酒好きだったアイツももっと飲みたかっただろうと思って。

 

30半ばのおっさんが6人も集まれば会社の話になる。愚痴、展望、給料である。僕らのグループは高卒の割にはうまくいっているヤツらばかりだ。一級建築士に大企業のグループ会社が3人もいる。その3人は辞めさえしなければ世にも珍しい終身雇用である。むしろ何もしないやつが窓際として生き残っていることに文句があるようだ。彼らは長く働いて会社でも相当評価されている。

 

問題は僕だった。未だにフリーランスプログラマとして働いていることになっている。そのほうが都合がいいからだ。少し前まではフリーとしてまずますの収入があったので気楽でいられた。しかし今や展望さえない。エンジニアとしての限界点を迎えた気がするし、それに抗う気力がない。スモールビジネスというのをやっているが、そこまで大きく儲ける予定もない。心では焦っている。プログラマに戻ってもいいんじゃないか、いやまだ始まったばかりだぞ、と。

 

フリーのエンジニアなら契約した時点で労働と支払いがわかる。だからいくら使えるか、とか税金の対策をしようか、などだけ考えればいい。あとは技術的に時代についていけるかどうかだけだ。

 

今、エンジニアの屋号のままにひとまず小さいスケールの商売をしている。3つの商品のうち、実は期待していた3つ目が相当失敗した。率直に言うと経費分を回収できていない。1つ目はそれなりに上手く行った。2つ目は赤字でないだけで想定より大した売上にならなかった。3つ目は赤字だ。長期的には経費は回収できてほんの少し利益がでるかもしれない。トータルとして言えば、ギリギリ続けられるといったものだ。今4つ目にとりかかっている。そしてその4つ目はかなりリリースが遅くなった。コレが上手くいかないと非常に困る。9月は大丈夫にしても10月でアウトかもしれない。一人のスモールビジネスなのだから別にすぐに死ぬ問題でもない。だが期待値以下でげんなりしている。

 

一人だったら精神的に大丈夫なのだが、墓参りの日のように同い年が集まると心に来る。あれだけ同い年連中より贅沢な暮らしをしていたのに今となっては胸を張れていない。一人でいる時間が長かったから気にせずにすんだのだ。だがそれなりに立場と家庭を確固たるものにしているヤツらの顔をみると、今年の自分の怠惰さにげんなりしている。結局のところ人に会ってしまうと見栄や意地がでてきて、それに答えられない自分にげんなりする。

 

「そういえばイギリス行きはどうなったんだよ」

彼らが聞く時、イギリスの大学を目指していた頃は上昇志向で頑張っていたんだと思い出す。大学には合格しているが延期申請をしている。コロナがあって良かった。少なくとも数年はごまかせる。来年は無理だろう。渡英することもできないだろうし、覚悟が足りていない。そもそもが今の宙ぶらりんの状態が問題なのだ。4つ目の商品はクオリティを高めるために時間をとった。いよいよこれが大失敗になったらプログラマに戻らねばならないのかもしれない。そこそこの成功をするとしても、そこそこ程度では悶々として毎日を過ごすことになる。

 

僕が大阪から出ていなくなるまで、仲のいいツレたちとのつながりは永遠に切れないだろう。それぐらい結びついて離れないようになっている。ヤツらがいる限り僕は怠惰で適当な日常に戻れないんだなあと気付かされたお盆だった。