フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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id:lady_jokerの再返信、藤本タツキの評価を巡って

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自分の一連の記事

デザイン盗作・「ルックバック」の藤本タツキは天才ではない。あるいは少年ジャンプの才能枯渇問題

集英社作家の「オマージュ宣言」はアイデア収奪の正当化

id:lady_joker氏への手斧。あるいは天才・藤本タツキとエンブレム佐野の違いについて

藤本タツキ「チェンソーマン」の魅力と「ルックバック」評

 

id:lady_jokerの記事

id:floyd0へのアンサー、藤本タツキさんをめぐる話 - lady_jokerのはてなブログ

 

まずは手斧への丁寧な返信についてお礼を言いたい。

ありがとうございます。

 

引用しすぎると長くなるので、上記記事各セクションごとに返信する。とはいえもはやお互い相容れないということがわかってしまったのでこれ以上の返信は不要であるとだけは言っておきたい。

 

■「勝海麻衣さんと藤本タツキさんの違いについて」に対する返信

ここですでに価値観の違いがあるなあと思った。上記セクションでは「サムライソードが似ている」という認識は持っておられるようだ。

 

僕の考えではエンブレムやイラストのような非常に限られた範囲で描かざるをえない仕事こそ、パクリ事案には甘くあるべきだ、と思っていたりする。一枚イラストは広告などで需要も高く、大量に存在するので過去の構図からたまたま一致することがかなりありそうだからだ。ソレを踏まえても勝海麻衣はパクリかもしれないが。

 

■「パクリが一部なら許されるのか?」に対する返信

デザインという言葉の範囲の相違が見られた。

藤本タツキ「チェンソーマン」の魅力と「ルックバック」評 - フロイドの狂気日記

において"かっこいい一枚絵を描く能力は優れている。演出はとてもよい。"と書いている。まさしくid:lady_joker氏が画像にある、宇宙服のところや、バトル中の大ゴマを想定して評価している。id:lady_joker氏はそれをデザインの内と呼んでいるんだろう。

 

■「創作におけるサンプリングについて」に対する返信

シェイプ・オブ・ウォーターは見てないので割愛する。タランティーノである。個人的な好みだが、タランティーノ作品はクソ映画ばかりと思っていて、ここでも価値観が合わないと思った。タランティーノは「パルプ・フィクション」「イングロリアス・バスターズ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の三作品を視聴したことがあり、そのうち2つはブラピやディカプリオが出ているから見た。個人的にブラピ、ディカプリオのそれぞれの出演作品はハズレが少ないと思ってるから、積極的に見ているのだけれど、彼らの出演作品の中では最下位ぐらいの評価をつけると思う。

 

タランティーノのことなんてスッカリ忘れていたから気づかなかったが、オマージュのひけらかしへの嫌悪感の原因かもしれん。よくわからないストーリーとギャグ混じりのグロ暴力の映画の何がいいんだと思った。視聴後、世間的評価を検索しては、元ネタがどうのこうの、わかる人はわかる、などとニチャついているファンどもにイラッとした記憶がある。今回みたいに何か書いたわけではないが、まったく感銘も受けなければ、タランティーノを天才だとも思っていないだから彼がオマージュをしまくってるから何だというのか、としか思わない。それどころかやっぱ開き直ったオマージュ・パクリはクソと再確認した。タランティーノも「全て映画からパクる」と公言しているタイプらしく、それを称賛する人もいるとあって何だかイライラした。10作目で引退すると決めてるらしいので、実現してさっさと消えて欲しい。

 

■「藤本タツキさんの〈サムライ・ソード〉の造形はパクリなのか?」の返信

ここに出されている引用元について全く知らないでいた。元ネタを見ない限りどの程度の類似性があるかはわからない。「レゼ編」でさえ模倣先があるとしたら、藤本タツキの評価が変わってしまうなあ、と感じた。

もちろん映画っぽい、というのは最初から知っていて、元ネタはあるかもなあとは薄々気づいていたし、シャークネードの"オマージュ"が露骨にでてくるのも知っていた。悪魔のいけにえのキャラは頭からデンノコというわけではないが、黒スーツチェンソーは元ネタっぽいというのはわかった。やっぱり肝心な部分にも元ネタがあるのね。逆に元ネタがないシーンてあるのかなあ。

 

"あえて直接的なサンプリングをして、作品のアクセントとしたのだと解釈した"

"ただしこういった議論を踏まえずに、類似のデザインが出てきただけでパクリと決めつけるのは、id:floyd0の解釈の引きだしが少なく、単視点的なためだと私は考える。"

 

外野が議論したところで結論はでないだろう。すでに僕の中ではサンプリングだろうが丸パクリだろうが、過去作品を意識的に再利用している、しかも物語のかなり重要な部分にも、全体通してもという点についてドン引きしている。濃淡があろうとなかろうと切り貼り野郎じゃねえか、と。ファンに言わせれば換骨奪胎か。

 

■「藤本タツキさんは天才なのか」の返信

"id:floyd0は、単にフィーリングによって作家を天才/天才ではないと分け、後者の悪い点を指摘しているだけなのではないか。"

 

確かにこの指摘は理解できる。感情に乗って書いた部分も多々あるので。とはいえ大雑把な定義としては、創作に必要な多数の能力を高レベルで保持しているという点だろうか。その多数が曖昧だ、と言われればそうかもしれない。

が、一連の流れで絵もうまくてストーリーもうまい、と尊敬していた作家でさえ、絵以外の部分を他者のアイデアで補完していたかと思うと寂しい気持ちになった。

 

■「id:floyd0はなぜあのようなエントリを書いたのか」に返信

このセクションがid:lady_joker氏の言いたいことと、踏まえた上であなたの評価に疑問符がついた。

"自分は藤本タツキを評価していない。"
"そんな作家が天才と褒めそやされているのが気に食わない。"
"藤本タツキが天才でない理由をあげつらって、上記の流れに水をかけたい。"

 

どれも全部違う。まず評価しているところを多数上げている。わざわざ時間をかけて、2つも評価エントリを書いている。全く評価していない作品や作者については積極的に書かない。時間の無駄だからだ。ついでに最後まで読まないし買わない。例えばタランティーノとかね。ユーモアや表現力の一部など、あるいは画力を上げるための修練については疑問を持たない。上記全ては思い込みと邪推でしかなく、あなたがそう決めつけたい、もしくはそうであってほしいという願望にすぎない。これは他のブクマカもそうだったんだけど、書いていることを読まず、書いていないことを邪推する、というコメが見られて辟易とした。もちろんはてブ自体がそういうところがある、と思っているから仕方がないと諦めている。言っておくけど創作者でもない。なぜか何かしらの創作をしているワナビだと思っているかのようなコメントが多数あったのだが、一言もそんなこと書いていない。

 

"新井英樹浅野いにお末次由紀あたりがSクラスでないのなら、誰がSクラスなのだろう?"

名前は出さないがいくつかの作家のtweetを見てしまって、お前はツイッターなんかしてないで、さっさと描けよ、という怒りを感じて、迂闊に書いてしまった。作家コメント全体を見てはいなかった。ここはかなり反省すべき点だと思った。ちなみに僕のSランクは爆発的な売上を保有することが前提なので、その中では、ちはやふるの作者だけがSランクだろうか。ま、これも個人の定義でしかないし無意味だ。

 

"藤本タツキが天才でない理由をあげつらって、上記の流れに水をかけたい。"

"基本的にプロダクトによって生まれた感動は、批評では打倒できない。ある人が〇〇さんは天才だと評価しているのを、批評によって傷つけようとするのは無為に終わることが多い。"

 

ここもあなたの思い込みであり、打倒しようとは思っていない。あなたの解釈でしかない。もちろん批判は勝手にすればいいだろうし、バズってしまうとどうしようもないと考えているので、見えないところでどうこう言われても仕方ないと諦めている。こんなにバズるとも思っていなかったのだ。絶対にバズる保証もなければ有名人でもない自分が何か影響を与えれる前提であるわけがないじゃないか。バズった結果ありきの批判は勘弁だ。

 

これはstarたくさんもらえるブクマカであるあなたの意識の裏返しでは?と邪推しておく。僕と違ってブクマの方はかなり上位になる頻度が高いようだし、ソレを理解しているようにも見える。すべての創作者を敬愛すると言いながら、痛烈な批判をしてしまうのは、「水をかけたい」欲望があるからではないか?ま、根拠の薄い邪推だ。

 

最近ではブログ更新もしていなかったので、藤本タツキエントリを上げる前のPVは100-200である。ブログも政治や私事中心だから、多数には読まれるわけがないという前提で書いている。ただ感情の赴くままに書いたということは否定しない。そのためロジカルではない点が多々あることも認める。

 

僕がなるべく真摯に書いたルックバックの書評は最初のエントリの20分の1、手斧の6分の1のPVでしかない。あなたの丁寧なお返事にもブクマがついてない。あなたにも僕にも影響力なんて微塵もない。全ては消費され、このやり取りも何の意味もないものである。つまり誰にも影響を与えてないと言い切っていい。冷水にもなってないから心配せぬよう。

 

■最後に

僕は「天才と呼ぶ条件のハードルが高い」

id:lady_joker氏は「創作者はすべて敬愛すべき」

という信念があり褒めるハードルが低いようだ。

そこで衝突するし、おそらく今後も理解しあえることはなさそうだと感じた。

最初のエントリが感情的でロジカルでないのはブログが読まれていないという前提だからだ。ここは自分のらくがき帳だ、という体でいたのでバズってしまって面食らっている。

 

id:lady_joker氏が様々な作品に造詣が深いというのはわかった。僕は千万単位の大ヒット作しかほぼ見ないし、創作よりも研究者の書いた本とかを読む方が多い。有象無象の創作者に対する敬意に欠いたと言えるかもしれない。それは良くなかった。申し訳ない。

 

この一連の流れで藤本タツキへの評価が、心のなかで下がったのが残念だ。

とくに「レゼ編」のストーリーの流れにさえ元ネタがあると知るとテンションが下がる。そこは彼の脳内から出てきたものであってほしかった。だからこそ元ネタは見ない。僕の中で感動したという記憶だけを抱いておく。