ついにやってきました手術の当日
手術の時間は5分~10分ですが下準備が長い
何らかの目薬を一度につき2種類、5分おきに看護師がさしに来る
これを5-6サイクル繰り返して10種類ぐらいの目薬をさしたと思う
それだけで40-50分経った
その後、別室に案内されガーゼ生地っぽいガウンを服の上からかぶる。髪の毛をまとめるためのガーゼ帽子っぽいのも被ってテープで貼り付け固定する。その時に持ち物とかアクセサリや時計は全部預けることになって、めっちゃ空調が聞いてる廊下のソファで待つことになった。目の前にいくつかのオペ室があって先に手術した人が休憩している。術後は30分休憩することになっていて、待機と休憩は同じところ。休憩中に手術の説明とか、麻酔用目薬とかして、ようやく始まるんだなあという実感がでた。
手術が終わった人が出てきて看護師に手引きされながらソファに座らせられているのを見た。目の手術だから一人では歩けないんだなあ。自分の番が来て、オペ室に入ったんだが、最初の感想が人が多いなってことだった。7-8人ぐらい居て、先生以外にも対応する看護師が複数人いた。
僕は歯医者で座るような椅子に座って、そのままリクライニングして仰向けになる。すぐに準備が始まるんだけどまず顔に専用のシートをかぶせて固定して、方目の部分だけを開けるんだな。まぶたを開けっ放しにする専用機械があるそうで、それで眼を固定する。その後はえっらい勢いで消毒用目薬とかをじゃんじゃん流し込む。手術っぽく看護師さんが何をするかを宣言しながらやるんだ。消毒液流し込みますねーみたいな。目の前が黄色になって、これは黄色い液体なんだあっとそのまんまの感想を持ったり。
いよいよ眼を切る。僕はICLのオペ内容をまったく調べずにきて、眼にメスとか近づけられるのってどんな気分だろうと思っていた。事前説明で、光を当てるって話だったんだが、これがまた強烈な光で、多分閃光弾なみの光を浴びせてきた。ようするにほぼ光以外見えない。なるほどなーって膝を打ったね。これなら眼にメスを近づけられても全く見えないのだから恐怖しようがない。ちょっとだけ影のようなものは見えるんだけど、どんな形のメスなのかもわからない。
麻酔が効いているから痛みはないけれど、明らかに眼をカットしているのがわかる。それはかなり不思議な感じで、おそらく眼にコンタクトを埋め込んでいるときは、まっすぐ光を見ているはずなのに、光の場所がズレるんだな。コンタクト回しながら挿れてるのかなあなんて思う。フィットしたあとかな、すぐに目の前が真っ暗、というより灰色になって完全に何も見えなくなる。失明ってこんな感じなのかなって。これね、体験してみないと想像つかないと思うけど不思議な体験なんだな。
先生は、ゆーっくりまーっすぐ光を見て、とおっとりした口調で語りかけてきて、なんだか安心感があった。すぐに終わって、またしても消毒液をじゃぶじゃぶ流し込んでくる。で、もう片方の眼を同じようにする。
終わったら看護師に手引されて休憩するための廊下のソファに座る。目の前が黄色だった。消毒液の色なんだろうね。今まで気づかなったけど、オペ室のドアの上の方に「手術室」って札が貼っていて、ああそうか、視力が上がってるから見えるんだって感動した。空調効いてて寒いぐらいの廊下で30分まって、待合に戻って、その後の説明やら薬やら保護メガネやらを持ってきてもらう。3時ごろに病院についたのに5時すぎてて暗くなりつつあって、ビルの上階から見える夜景の中の看板たちの文字がはっきり見えた。
オペのための瞳孔開く薬のおかげで、手元の文字はまったく見えない。スマホなんかもどれだけ近づけてもちょっと距離置いても文字羅列があるぐらいしか認識できなかった。術後になにかあったら連絡できる緊急電話と薬もらって帰宅。帰宅する間の電車の広告とかも読めるし、景色がクリアで、ああこれが眼鏡なしのナチュラルな景色かーって感慨深くて、コンタクトしているのと近いけれどもっと視力がフィットしている。
保護メガネをつけていても、光がすごくキラキラするようになった。アンパンマンの太陽で検索すると出てくるような、光源が真ん中にあってその周りに反射してるような感じになるんだ。ありとあらゆる光がそういうふうになる。
家についてもまったくスマホの文字が認識できないので、食事したり眠ったりして時間を潰して、9時頃から嘘のようにスマホの文字が見えるようになった。そこから散歩にでかけても景色がクリアでどこまでも歩いていける気がした。
帰宅後は風呂場で顔にかからないように首から下だけ洗い、上を向きながら後頭部にシャワーを当てるようにして頭をお湯だけで洗った。
ベッドの上で電気を消してスマホを見ると、レンズ部分が光って円形のフチが見えるんだな。これはそういうもので、光がレンズで乱反射するからそうなるんだと。大抵は慣れるようになるらしい。普段は気にならないけれど、真っ暗な中で光を見たり、昼間でも太陽を見上げたりすると、景色に光った円の縁が見える。こればっかりは仕方がないようだ。
次の日は光の見え方はおさまっていたし、翌日検診は問題なく済ませられた。目薬だけ忘れないように、と。1週間後に検診があるが、今の目の調子はすごくよくて、痛みもないし、世界がクリアになった。人々の顔がよく見える。これはね、もっと早くやるべき手術だった。メガネをかける煩わしさはないしコンタクトを買いに行ったりする手間もなくなる。裸眼最高ってなる。
本当にですね、素晴らしい医療技術だと思った。