2020年の12月に以下のエントリを書いた
このエントリを書いて1年以上が経ったのかと思うと時の過ぎ行く流れの早さを感じる。webプログラマの傍らで副業としてミニマルビジネスを進めている。その副業を本業にするぐらい稼ぎたいという野望のもと、色々考えては進めてきた。2度目の備忘録を書き残しておきたい。上記エントリでは忘備録となっているところ、今回は正しい言葉の備忘録に直している。22年の1月にブログを毎日更新していたのは、ミニマルビジネスのリリース準備佳境だったので進捗に向き合うために書いていたからだったりして。
21年の半ばに1製品をリリースし全然売れず赤字を出し、投げ売りして自分の人件費を除く経費分の売上を確保した。今年、製品を2つ立て続けにリリースし、ある程度傾向がわかったので20年度の備忘録に書いた事以外の新しい発見を忘れない内にメモる。
【良かったこと、正しかったことリスト】
■製品と業界についてブログを書くのは正しかった
はてなブログとは別に、自分が製造している製品と業界についてブログ記事にしている。更新頻度は高くない。ネットで売るんだから、文章で発信したほうがいいと思ったから実行した。このブログで手に入れたノウハウを存分に発揮した。バズったり叩かれたりしたことは何度もあるので、それを分析し、製品ブログではポジティヴなこと、前向きなことだけを書き、バッシングや批判などは一切しなかった。最初は月1ぐらいの頻度で書いていたが、最近では週1ぐらいの頻度で更新するようにした。今ではフォロワーはこの狂気日記よりも多くなった。そこで製品について宣伝できるので効果は会ったと思う。雑記ブログと違ってネタに困るのが傷ではある。
■値段の多少の高低は売上に関係がない
20年と21年に出したラインナップの値段の付け方は正しかったのか迷い続けた。21年半ばに出した2つ目の製品は20年末のものより少し高い値段をつけた。全然売れずに狼狽しながら投げ売りして損切りした。それがダメだったと思ったので、22年に販売した製品の2つは値段差をつけて実験してみた。
22年の最初のリリースは今までと同じ価格帯、これを「高額A」とする。2つ目のリリースした製品はAと比べて原価は同じにもかかわらず利益率を半額にした「半額B」とする。本当の価格公表は避けるが、仮定の価格として1つあたりの原価100円に対し「高額A」は定価700円、「半額B」は定価400円である。
さて売上の結果はどうだったか。何と同じ期間で「半額B」は「高額A」の半分の出荷しかなかったのだ。売上ベースで言えば4分の1だった。はっきり言って絶望した。良いものをより安く提供したつもりだった。だが全く売上には影響しなかった。というか悪くした。だがこれにより僕は価格帯の確信のようなものを得た。「高額A」の価格帯で販売することに決めた。迷いはなくなった。安売りはするまい。
■価格は評価に関係がない
今まで出した同じ種類の4つの同種類の製品の評価は実に代わり映えしない。
「20年の製品」は程々の売上
「21年の製品」は赤字の投げ売り
「22年の高額A」は1ヶ月で「20年の製品」の半年分の売上を上げた
「22年の半額B」は「高額A」の粗利4分の1程度しか売れないだろう
それらの製品の評価はほとんど星4.0~4.1ぐらいのものだった。極端に悪くないが、良くもない普通といったところだ。ほとんどの人は星5と4をつけるが、一部に1や2を付ける人がいて、しかもフィードバックやクレームがないから理由がわからない。僕は値段が高すぎたのではないかと思ったが、安くした製品も星4ぐらいだった。
評価は製品の満足度につけられるから、値段が高いか安いかではないのだろう。安くても買った人が気に入らなければ低評価をつけるという当たり前の結論となった。言い返せば、あえて利益率の安い製品を作る必要はないという確信を得たのだった。
【ダメだったこと、失敗したことリスト】
■もっとブログエントリを書くべきだった
製品ブログは去年に月に1度ぐらいのエントリで書いていた。頻度を上げたのは今年になってからだった。エントリを読むのが好きというファンがでてくるものだが、エントリを上げるたびに、読者が増えていった。製品リリースの前にもっと書きまくっていれば売上が更に伸びたかもしれないと思った。遅きに失した。いずれにせよ拡散してもらえて、かつ良質なファンを増やす入り口は必要だと思った
■値段を下げるなら割引にすればよかった
今年の「半額B」は定価を安くしたのだが、高頻度で3割引にしてしまう形で値段をつけるべきだった。そうすれば定価で売れれば儲けもの、3割引でも想定通りの低価格実験になったな、と思った。定価を下げたせいで割引の投げ売りもできない。
「半額B」の失敗は製品にあるのだろう。「高額A」とはパッケージを作った業者も違えば、製品内容、販売日/曜日など価格以外のすべて違うので、価格は高くても製品が良ければ何の問題もないのだ。
■雑記
前回の反省点を踏まえたところ、同じぐらいの経費と投資に対して売上自体は大幅に上がった。しかし僕の想定した成功ほどではない。「高額A」は最低今の2倍は売れてほしかったし、3-4倍売れないと本業にするのは難しい。「半額B」に至っては期待はずれもいいところだった。
製品の良さをブラッシュアップするしかない。価格を低くすれば売れるなんてことはなかったのだ。売ってる製品にもよるということかもしれないが、いかに価値ある製品を作るか悩むしかない。
製品をリリースする直前はいつだって、すげえ売れるかも、などと期待する。そこで単価あたりの粗利*本数を計算したりしてニマニマしていたもんだ。バカみたいだが、人間そんなもんだと思う。今年の前半のチャレンジは「副業としては破格、本業にするには心もとない」という評価になるだろう。去年までの論外の状態に比べれば進歩したと言えるかもしれない。
僕は今年のリリース2本でwebプログラマの足を洗うつもりだったのだ。だがしばらく続けなければならない。正直辛い。特にコロナの影響かwebプログラマの単価は上がりまくってて、続けるほうが安定した金銭的メリットがありそうなのも辛い。
しかしやはりというか、今年の1月の間プログラマを休んで製品リリース作業をしているときの、昼まで寝てもいい自由、PMの指示やクソ仕様に悩まされないでいいという解放感は無二であるとも思った。
そんな感じ~