[B! 労働] 日本で悲願のインフレ到来 なぜ悪夢に転じうるのか - BBCニュース
日本の経済状況について悲観的な何かがあると、常に日本国内の政治政策のみで考える人が多い。もう少し深呼吸したあと色々と調べてみたらどうだろうかと思う。
コストプッシュインフレは世界規模で起こっており、スタグフレーションの危機はほぼ全ての国で叫ばれていると見ていい。英語の国名+stagflationで検索するだけでいくらでも記事は出てくる
これらの記事はここ1ヶ月以内に掲載されているものだ
■アメリカ(70年代を思い出させるスタグフレーションの心配)
Worry about stagflation, a flashback to '70s, begins to grow - ABC News
■ドイツ(すでにスタグフレーションの泥沼か)
Germany May Already Be Mired in Stagflation, Senior Adviser Says
■イギリス(スタグフレーションの恐怖は上がっている)
■フランス(この夏は低成長、強いインフレ)
France’s Summer to Start With Weak Growth, Stronger Inflation - BNN Bloomberg
記事によってトーンは異なるが、スタグフレーションは起こるのか、すでに起こっているのか?という観点は共通している。
そもそもコロナによるサプライチェーン停滞とロシアの戦争による経済制裁と資源や小麦の輸出停止、輸送機のロシアの空回避など多岐に渡る影響で世界経済が混乱している上、世界レベルで生産力が落ちているのがコスト上昇の原因であり、日本も無関係ではいられないというのが結論だ。
岸田政権だろうが自民党だろうが無関係だ。誰がどうやってもこのインフレは回避できないが、その上でコスト上昇の幅について言えば日本はまだマシといえる。物価上昇率前年比2.5%というのはかなり緩やかだ。
他の国は給料が上昇している、という人もいるが、それも眉唾だ。
ドイツは前年比8%の物価インフレにもかかわらず給与上昇は1.6%
独、購買力が大幅低下 輸入燃料高騰に賃金追いつかず=連銀月報(ロイター) - Yahoo!ニュース
アメリカは5.5%の賃金上昇だが、それでもインフレ率は8%を超える
アメリカの賃金アップは続き、平均時給は32ドルに…上昇率の鈍化とインフレが懸念材料 | Business Insider Japan
イギリスも給与上昇の倍ペースで物価上昇し、秋には10%を超えると予想される
4月の英インフレ率、9%と40年ぶり高水準-サッチャー政権時代以来 - Bloomberg
こういうと給与が上がるだけいいじゃないかと思うかもしれないが、日本と違って物価が下がることはまずないので、インフレの差分購買力は下がり続ける。資源国のアメリカはまだマシだが、資源をもたないEUの国は今後もっと苦しい。ドルベースで日本との給与格差があろうとも、それぞれの国の通貨で、家賃と光熱費で給料のほとんどがなくなるなら海外の国がいいとはいえないだろう。相対的に日本の経済状況はマシのように見える。
中長期的には発展途上国がより打撃を受けると予想されている。途上国は輸出で稼いでいるので、先進国に消費の余裕がなければ、より深刻だと言われている。結局は国力の差がその国の安定に現れるという現実だ。
円安により海外旅行などは難しくなろうとも、海外が羨ましいと思うほどではないなと思っている