フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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「アルジャーノンに花束を」を読んだ

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アルジャーノンに花束を」の文庫を買って読んだ

Kindle専門になっていた僕は久しく本屋によることもなかった

買って読んだ後、Kindleライブラリにあったことを知った

 

ともあれ有名なこの本を読んだが、名作と呼ばれるだけはある

話作りがうまいと思った

 

IQ70だとかの主人公の無垢さ、化学療法で天才と呼ばれるレベルまで知識レベルが上昇したときの傲慢さ、周囲の変化、かつて心から仲間だと思っていたパン屋の人たちは頭の悪い主人公を見下し安心していた奴らと知り、天才になってからは彼らは恐怖を感じ主人公を排除しようとする

優しいと思っていた科学者たちは業界で評価されたいが一心であり人間性に欠けているところがあった

知的障害者であったころには気付けなかったことが明らかになっていく

その後、化学療法に副作用があることを天才的頭脳で解き明かした主人公は、以前よりもはるかに知性がなくなっていくことを恐れながら隔離病棟に連れて行かれるまでの日々を過ごす

知的能力が衰えていく中で、排除していたパン屋の仲間たちもまた、彼に優しくなり、IQが高いころは親切だったアパートの隣人は彼を狂ったと思い相手をしなくなる

子供の頃は非常に辛くあったった妹は大人になり主人公に理解を示すが、認知症ぎみになった母親は彼を疎ましく思う本音が爆発し悲しみを誘う

 

人間の関係性の変化に焦点を当てた描写が素晴らしい

 

物語の作りがパーフェクトと言ってもよく、かつ翻訳した人も知的障害者の文章をうまく表現できており名作たらしめている

 

 

さて、集中力が加齢で落ちていることを実感している僕が半日ほどで読めたことで、その気になれば数百ページの本もインプットすることができるのだな、と思い直させたことがこの本を読み終えたことによる個人的な収穫であったりする