恐ろしいほどひどい翻訳だった
読んだあとで検索すると同じ感想を持った人が多数いるらしく安心した
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」がかなり読みやすい本だったので、本作がよりひどく思えたのかもしれない
とんでもなくイケてる邦題から、どうしようもない内容というかハマらなかった
月に囚人として追放された人々と、その子孫が独自の文化圏を築いて地球から搾取されている状況をどうにかしようと目論む
何がつまらないかってアメリカの歴史をある程度なぞっているだけということなのだ
マイクというAIの存在や、月から地球相手に独立戦争をしかけるという違いはあれど
政治体制もアメリカの極度の資本主義を前提としている独立だし、なんかアメリカの歴史を賛美しているだけに思えた
まあ、独立戦争相手は地球全般で、最後の相手は大中国なのだが
月の独特の文化や人工知能マイクの存在は面白いが、月の支配権を主人公たちが手に入れて地球相手の独立戦争が始まる政治エピソードは正直おもしろくない
戦争シーンもわかりづらく、ここは逆に読み飛ばしてもOKなのでむしろ良かった
後半は政治指導者としての教授の思想が鼻について嫌になった
独立後は税金を課さない、課さない代わりに盗むという税制の説明もよくわからなかった
アメリカ特有の大きい政府嫌いがそのまま出ていて、それだと月世界の独自性がなくメタ的に意味ないのではと思った
まあ、現実のアメリカよりもより小さい政府賛美という意味ではアメリカをなぞっただけと言えないのかもしれない
独立戦争中の人工知能マイクはただの便利計算機になっており、面白みが減った
中盤までの人工知能と主人公の関係性は魅力的ではあるが、後半はただただ読むのが億劫になり読了に1ヶ月もかかった
有名なタイトルだから履修したけど、読まなくても別によかったかな、という感想