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書評:「コンテナ物語」著者 マルク・レビンソン  訳 村井 章子

 結構前にはてブでも話題になっていた「コンテナ物語」を読み終えた。

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

 
コンテナ物語

コンテナ物語

 

wivern.exblog.jp

上の記事は2016年で、ビル・ゲイツが推薦したのが2013年。本が出たのは2007年。

丁度10年ほど前に出版されたということだが、このコンテナの重要性についての歴史が学べる。

 

主にマルコム・マクリーンというコンテナ海運業で起業した一人の若者が成功を収め、そして会社が破綻する老後までを軸に、どのようにコンテナが広まりどういった仕事を減らし、あるいは増やし発展していったかが詳細に書かれている。

 

この本がコンテナの歴史のみを扱われているとあなどることなかれ、栄枯盛衰の本であり諸行無常の歴史でり、人々の抵抗の物語であり、イノベーションの力の証明でもある。

 

例えこの作品の主人公とも言えるマルコム・マクリーンは若くして成功を収め、中年以降も業界で無双し数々の古い体質の企業を打ち負かしているが、晩年にはコンテナの力を理解した世界中の猛者達との競争によって破綻に追いやられている。

 

だがマクリーンだけの話ではなく、コンテナ登場前の埠頭での集荷を担当していた筋骨隆々の作業員達もコンテナ登場によって仕事を失っているし、イギリス・マンチェスターなどの古くからの海運の街もグローバルでコンテナが扱われるようになると立地の悪さから衰退している。最後はシンガポールなどの一部の港が勝者となっているが、これとていつまで続くかはわからない。

 

コンテナだけでなく労働争議の歴史や港開発の物語なども楽しめる一冊となっている。

 

コンテナはまだ発展する余地があり、マラッカマックスと呼ばれるマラッカ海峡を通ることができる巨大コンテナ船の規格もあり、未だ造られたことはないが、それが建造されればまた海運業界の情勢は変わるだろうことも示唆されている。もちろん消費者にとっては物資の価格が下落するので好ましい変化とも言える。

 

何にせよコンテナという一つのイノベーションによって、様々な仕事と企業が淘汰され消費者はより安く商品を手に入れられることになったことは間違いない。

 

栄枯盛衰とイノベーションの重要性について端的に理解することができるこの本はビジネスマンが読んで損のない一冊と言える。