フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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原作者を尊重しろという言説の危険性

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日本ドラマで原作者が蔑ろにされている、という話題がホットだ

わからんでもないけど、根本的な問題は解決されずパワハラネットリンチの温床になるんだろうな、という予感がする。

 

原作者が尊重されるには以下の条件が最低限必要だろう

 

・出版社、テレビ局との強固で明白な契約書類

・キャスティングに原作者が参加する

・脚本をチェックして現場を見る(おかしいところはすぐ指摘する)

 

これぐらいはしないと認識の齟齬は間違いなく出てくる。今やコメントをするのは不自由で立場が弱いくせにイキり散らかす脚本家ばかりで、狡猾なテレビ局、そして原作を守ってこなかった出版社は沈黙している。

 

起こりうることは、原作者が非協力的、ないし忙しくて現場に入らないくせに要望だけを繰り返してくるパターンだ。テレビ局は中身はどうあれ実現してくれればいいし、出版社も名前が売れて原作が売れればそれでいいのだろうから、現場のトラブルなど意に介さないだろう。原作と違えば、ファンからはネットで徹底してやり玉に上がる世界線が見える。

 

創作物だから原作者がフォローされているが、IT業界なら立場が逆になっていただろう。

 

webアプリをスマホに移植する依頼で、現場にほとんどこずにUIやらプログラミング後から文句をつけ続けるwebアプリ保有クライアントがいれば、営業は文句を言わんとしてもプログラマに嫌われても仕方あるまい。ちゃんと角を突き合わせて作品を作り上げる、という体制を今まで作ってこなかったつけの人死が出たわけだが、これって出版社の責任が相当大きいと思う。

 

ドラマを作るときに脚本を渡してハイ終わりというわけはなく、現場でニュアンスの違いや、使う大道具小道具やカメラのカットなど、文章だけではわからないことはたくさんあるんだから、尊重してもらうには現場にでるしかないはずだ。それがないなら、横槍だけ入れてくるウザい原作者と思われても仕方ない。そもそも契約書どうなってんだってのが一番最初の問題だ。契約書違反に対する補償なんかもあってしかるべき。

いいから手抜きしてないで原作者を連れてきて、外せないところを契約書に盛り込め、ということなのだ。セクシー田中さんの件だって契約がどうなのかもわかってないのに、脚本家たたきだけが横行している。その責任は出版社にあるはず。

 

口約束だったのか、書類はあるのか、本来なら出版社が明らかにして率先してテレビ局を批判すべきなんだろうが、それがないんだから共犯関係じゃないか。

 

仮に契約書がないんだったら、無茶苦茶されても仕方ないのでは?

契約書に明記されてなくても、配慮すべき、という意見は気に食わない。それって日本特有の空気読め、って雰囲気で推し進めるいつものアレで、現場にしわ寄せが行くやつでしょ?

そうならないための契約書、プラン、マネジメントがあるんだけど、どの業界でも日本はこれすげえ苦手だよな。ちゃんと考えてから行動しろよ。その点アメリカなんかでは、俳優1人でさえ辞書みたいな契約書を書かされるそうだが。

 

何より小学館がだんまり決め込んでいるのは、全くフォローしてこなかったことをつつかれたくないからで、原作者に対する配慮なんて今後するかどうかもわからない。

 

ネットではテレビ憎しのユーザが多いから、現場の一部でしかない脚本家叩きが横行しているけど、原作者の味方であるはずの出版社が放置しているのが一番やべえんじゃないのだろうかと思う。