嵐が解散した時点で、あるいはSMAPが空中分解した時点で終わっていたという人もいるだろうが、ジャニーズというブランドが国民の中の親しまれているアイドルであるというアイコンであったと思う。そのうち嵐やSMAPのようなグループを排出するのではないかという期待はあっただろう。
BBCの告発などでガタガタにはなっていたが新社長のインタビューでついに再起の目がなくなってしまった。過去のジャニーズという名称を切り捨てる可能性があり、スポンサーやテレビ業界は待っていたように見える。それが、明白に、過去を切り捨てて禊を済ませるという意欲がないことが明らかとなり、泥舟から逃げるように偽善的なスポンサー会社でさえ逃げ出していってるのがここ数日。
スポンサーは善人ではない。彼らが本当に人権を重視しているならBBCの告発段階で見切りをつけていたはずだ。少なくとも裁判で認められた被害の判決があったので、疑惑ではなかったのだから。テレビ局もスポンサーも、過去の加害者たちを切り捨てるストーリーを期待して待っていたのだ。だがもう終わった。ジャニーズという名称は児童虐待犯の名前であり、名前を残した以上、今後その犯罪者と同一視されることが決まってしまった。彼らはアイドル事務所から、レイパーのアイコンになった。
今やエンタメ産業でさえ海外市場とは切っても切れなくなっている。Netflixなどの配信サイトで視聴される日本のドラマに果たしてジャニタレを出演させられるだろうか。金をかければかけるほど、ジャニーズは避けたいと思うはずだ。アパレルブランドや海外展開するようなビジネスはすべて、採用を渋るだろう。アニメの声優吹き替えはどうだろう。キムタクを採用していたジブリなども、タレント採用はともかくジャニーズ採用は難しだろう。それがポジティヴな売りにはならなくなった。
今後ジャニーズは国内の先鋭化したファン向けの、閉じたコンテンツとして展開せざるを得ない。スポーツの世界大会の実況なども出演していたグループもあったが、それもなくなる。誰が児童虐待をしていた社長のブランドを平然とつけていられるタレントを出せるというのか。世界のスポーツ代表たちが難色を示すのは明らかだ。
浮気したタレントなどはすぐに切り捨てる癖に、ジャニーズに関してはギリギリの会見まで判断をしなかった日本企業の薄汚さを感じた最近のできごとだった。
昭和からテレビ局を支配していた実力者の一角がようやく消える。