フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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コロナより経済を回せ、の現実はどうだったか

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■主要国の2020年(2019年)GDP成長率リスト

 

日本 -4.8%(+0.67%)

米国 -3.5%(+2.16%)

ドイツ -5.3%(+0.56%)

イタリア -9.5%(+0.3%)

イギリス -9.9%(+1.46%)

フランス -8.3%(+1.51%)

スペイン -11.0%(+1.98%)

スウェーデン -2.8%(+1.26%)

ノルウェー -0.8%(+1.2%)

 

中国 +2.3%(+6.11%)

韓国 -1.2%(+2.04%)

台湾 +3.11%(+2.71%)

豪州 -1.1%(+1.84%)

NZ -6.1%(+2.22%)

シンガポール -5.4%(+0.73%)

 

 

これを見るとコロナを完封したNZが日本より悪く、最悪の蔓延をした米国は悪くない成績だ。結論から言えば、コロナ蔓延で工業国はダメージを抑えて、競争力ある半導体ビジネスを持っているとさらに良いということが言える。

 

・工業国家の日本ドイツは先進国の中でもマシ

・韓国台湾は半導体ビジネスが強力なので相当良い成績

・中国、米国のようなハイテク超大国も十分にダメージを抑えたと言える

・観光立国は例外なく大打撃

・金融立国はほとんど抵抗力を持たなかった

 

どの国も前年度の成長率から5%程度は減らしている。日本はもともと低い成長率なので前年度+0.67%から-4.8%は健闘した下落である。アメリカも+2.0%から-3.5%なのでコロナは頑5%ぐらいの下げを招くようだ。

 

 

コロナによる経済打撃の大小は、産業構造と資源国かどうかが影響した。

そのため当初ノーガード戦法をとったスウェーデンはマシで、ニュージーランドは完封したのに経済ボロボロという現象が起きている。オーストラリアとノルウェーのような資源国もはるかにマシな経済だった。

 

さて昨年度のロックダウンの中でよく言われたのは経済で死ぬほうが問題だ、経済を回せ、というものだが、結果論で言えばどっちでもいい、ということになる。

 

観光依存国なら抑え込んでもコロナ蔓延を恐れて客を呼べず、蔓延してしまえば外国人も恐れて入国せず、なのでGDPは激しく下がる。国内観光だけで経済は回らない。スペインのGDPのマイナスの8割ほどが観光産業の不振が原因だそうだ。

 

半導体ビジネスを持っていると需要が激しいので売上が上がる。コロナを抑え込めればなお良い。工業国も結局は輸出で食っているので、蔓延してもある程度は商売が成立している。アメリカのように最悪の疫病蔓延状態でも観光や金融依存国よりマシなのだ。

 

ハイテク産業と資源は人の移動が減っても需要があるので主要産業がそうならGDP下落率が低くなる。日本で経済を回せ号令をかけてロックダウンを解いても、経済成長は変わらなかったのではなかろうか。

 

ロックダウンと経済の対立はなく、純粋に人の命と医者の過労、国家財政の問題ということになる。あとは個別の立場だ。

 

 

あなたが居酒屋運営者で少しでも売上を伸ばしたいならロックダウンに反対してもいい。医者だったら勘弁してくれと声を上げるだろう。財務省なら蔓延は高齢者が少しでも減って、かつたくさんのクリニックが開店休業になるので、長期的には医療予算の増加が緩和されるだろうと予想できるし、ロックダウンしなければ保障予算も減らせる。心優しい人道主義者なら目の前の命が消えることに涙するだろうし、一方で失職者や店舗閉店の絶望に心を痛めることになる。旅行やパーティ好きはロックダウンを無視したって国家の経済を左右しない。

 

世界的に比較すれば国内でコロナ蔓延するから経済がダメになるのではなく、人の移動制限は平等に経済を苦しめるが、産業構造次第でダメージが変わるというものだ。