フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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映画「市民ケーン」吹き替えはサウンドが不愉快すぎる

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スマホ中毒が止まらないのでせめて吹き替え映画でも流し見したほうが建設的だと思ってアマプラで映画を探す。探す映画は見ようと思っているけど別に期待していない映画といったところだ。そんな時に思い出したのは偉大な映画ランキングで不動の一位を取り続けていながら、何が面白いのかわからない、と映画のキャラに揶揄されるこもある映画「市民ケーン」だ。ほとんど80年前の1941年に上映された映画だ。

 

ストーリーは一代で成り上がったチャールズ・ケーンが死ぬ時の最後の言葉、薔薇の蕾という言葉が何を意味するかを追いかける記者がケーンとかかわりの深かった人々にインタビューをしたりしながら、ケーンの一生を振り返るというもの。新聞社を運営してから不動産やら工場から経営して巨大企業を作り上げ、最後には大統領選挙に出るものの浮気スキャンダルで敗北、その後転落していくというもの。成功して傲慢なケーンがやがて誰からも相手にされなくなるまでの生涯を描く。時勢がらドナルド・トランプを思い浮かべるが、彼は大統領選挙に勝ったんだよな。

 

まず未視聴の人に言いたいのは「吹き替えでは見るな」だ。これは映画の責任なのか吹き替えの責任なのかはわからないが、プロの声優を使っているのにもかかわらず、キンキンうるさい。かなり音量を下げたぐらいにはうるさい。

 

ただでさえ古い映画でサウンドがイマイチなのに、キンキンうるさい声優の吹き替えに、映画のセリフ回しが鬱陶しいという三重苦だった。間違いなくセリフの設定のせいなのだろうが、名前を連呼するシーンがすごく多い、ケーンさんケーンさんケーンさんと繰り返す買収された新聞社の元トップだとか、浮気相手で最後の妻だとか(このキャラの吹き替え担当もすごく甲高くて煩わしい)とにかくイライラする。

 

しかも映画の中では多数のキャラが同時にしゃべってセリフをかぶせまくるという意図的な演出があって何度となく途中で視聴をやめようと思わせた。歴史的な映画だから最後まで見るか、と耐えきった。冒頭の子供のケーンが銀行家に引き取られるシーンからしてムカついて仕方がない。とにかく妻を叱りつけるケーンの父親の声、セリフなど耳障りもいいところだし、その上で外のケーンが大声ではしゃいで遊んでる声がかぶさってくるし、夫が妻を叱りつけている最中、銀行家の男が大声で契約書を読み上げるという演出が、たまらなく腹立たしいのだ。

 

意図的にそういうシーンが何度も出てくる。新聞社をのっとったケーンが元の経営者の執務室に私物を運び込ませるところでも、ひたすら元経営者が名前を呼びながら同じことを言い続け、ケーンも自分の会社になったことを話し続ける。バカみたいに話しが噛み合わない。最後の妻が歌手として失敗して打ちひしがれて、ケーン自身の新聞でこき下ろしたことをなじるシーンも、ひたすら甲高い声でしゃべりつづけ、ケーンケーンで何とかあしらおうと意味もない話をし、宅配便を受け取るときの、配達員とケーンと妻の声がかぶさるところも最悪である。

 

もしかしたら字幕であれば幾分マシかもしれなかった。とはいえ画面に釘付けになってまで見るほどの映画とも思えなかった。確かに80年前とは思えないほどのおしゃれな画面作りではあった。最後のたくさんの骨董品が木箱に入ったままで置かれた部屋を俯瞰するシーンなども今でも通じるカットのように見える。

 

ストーリーは平凡な成り上がりと転落劇だし、カメラワークが素晴らしいと言っても80年後では当たり前となっている技術なわけで、映画マニアでもない限り見る必要もないんじゃないかと思った。

 

ひたすら甲高い吹き替えとセリフをかぶせまくる演出にイライラする2時間だった。

 

4点 / 10点

 

 

市民ケーン(字幕版)

市民ケーン(字幕版)

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