フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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お前の単価高くねえ?

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相変わらずプログラミングで飯を食っている。契約更新に先立って1on1ミーティングで現在の仕事について色々とカジュアルに話し合った。特に角が立つことはなかったが、要約するとタイトルの通りだ。

 

昔から面談で過大評価される傾向があった。日本のIT業界はコーディングテスト的なことをほとんどしないので、SIer業界、中小IT屋は経歴を見て面談をして、単価から仕事内容まで判断する。何度も繰り返してきたのだが、ジョイン前の面談でクライアントはだいたい僕が極端にできるタイプだと思うらしい。そして仕事ぶりをみてがっかりする。今している案件の金額は今までで一番高く、嬉しいことではあるが、更新前に案の定待ったがかかりつつあった。キャリアばかり長い僕は慣れたもので年下のPMの心を察知、相手に敬意を払いつつ取り込みにかかる。

 

「どうやったらフロイドさんのパフォーマンスをもっと上げられるでしょうか」

そんな質問にプログラミング能力以上の話術が発揮された

 

「まず最初の面談でもお話していましたが、現在の古い開発環境のリプレイスをやっていきたいと思っていまして、reactをフロントエンドに導入したい、と。PMは常に面談や会議で忙しいでしょう?導入したいと言いつつズルズルと引き伸ばしている。僕は今までリプレイスなどの案件も経験してきましたので、責任を持って取り組めるかと思います。いい人材があまり面談に来なくて苦労していると思いますが、僕に言わせると開発環境が古すぎて、今どきCakePHP2.Xとjqueryじゃ、手を上げてくれる良質なプログラマはいないでしょうね。そこでreactを導入するだけでも、技術者の幅は広がるでしょう。最近、少しずつプライベートでreact勉強しておりましてね。任せてもらえれば貢献できますよ。導入してしまえば募集案件にreact採用と書けますからね。今の悩みも解決するでしょう」

 

とまあ、こんな具合にべらべらと話すと、厳しい表情のPMにも笑顔が戻る。7月からは本番稼働で要望がたくさんあがってくるだろうから、やるとしても6月ぐらいしか、というので、「できらぁ!」とばかりにpushすると、早速来週から導入調査を始めましょうとなった。そして5月末、高い単価は維持され契約は更新された。だが未経験のreactの勉強を休日にもやっていて、単価維持した意味があったのか、と思うなど。

 

30代も中盤になって、ようやく仕事に楽しみを覚え始めた。20代の頃はプライベートでやりたいことがたくさんあった。今はドラマや映画を見ても、ゲームをしても旅行をしても、それなりにしか楽しめなくなった。悪くはないけれど、この時間で勉強していれば、とか、もっとやることがあったのではないか、と考え込むようになってしまった。

 

だから勉強をしているというのがちょうどよくなった。個人の勉強と仕事の必要スキルは切り離すべき、という人もいる。だが僕は、もはや仕事に関連するスキルを鍛えることに抵抗がなくなっている。20代の頃は、さっさと飲みに行きたいとか、漫画や小説を読んだりしたがったが、今はプライベートでやりたいことなどない。悲しい。

 

だから作業時間外に、クライアントのプロジェクトのコードを利用してreactの勉強に励んでいる。契約が更新され続ければ、経歴書に立派なフロントエンドの経験が書けるからね。

 

この先、仕事と貯金だけで年老いていくのだろうか。そうなんだろうな。