フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

PR

30代半ばで野球観戦にハマるということ

PR

野球。

こいつはだいたいハマり初めが決まっている。親の影響で少年期に見る。これ一択といっていい。そして少年期に野球が好きになるとだいたい野球部に入ることになる。

 

長い間僕にとって野球とは目障りなスポーツの一種であった。まず90年代は今ほど野球がテレビ上で廃れておらず、ナイターは毎日のようにしていた、と思う。小学生のころだから記憶は曖昧だ。僕の親父は野球視聴が好きだ。毎日のように見ている。今でもテレビでやってたら見ているそうだ。だが子供の頃のナイター放送は僕にとっての天敵、延長があれば幽遊白書ドラゴンボールといったアニメ放送を容赦なくぶっ潰していた。延長があるたびにイライラしていたと記憶している。

 

また野球か。

これが僕の野球の印象だ。これは長く続いた。もし成長の途中で野球にハマるとすれば実況パワフルプロ野球という有名野球ゲームに手を出したときかもしれない。有名だから、という理由で手を出す可能性は大いにある。そしてそこから実際の野球に、ということはある。

 

いずれにせよ30半ばまで野球を見ようなどとは思わなかった。少年時代に一度だけ球場観戦をしたことがある。親父のファンの阪神戦。これは間違いない。黄色と白のプラスチックの小さいバットを買ってもらって家にあったからだ。しかし場所は覚えていない。小さかったからどうやって球場に行ったかを覚えていない。現在の難波パークスはかつて大阪球場だったそうな。パークスが1998年オープンだと言うことを考えるとそこだったかもしれない。甲子園ほど遠くには連れて行っていないかもだ。いずれにせよ今の僕と同じ年ぐらいの親父が小さい僕を連れて阪神戦に行ったのは間違いない。今では禁止されているが最後は風船を飛ばした、その景色は覚えている。

 

親父がどう思っていたかはしれないが、息子は野球のやの字もでないティーンエイジ時代を過ごした。もはや死ぬまで野球に興味を示さない人生は確定したはずだった。イチローダルビッシュ知名度も何度かのWBCも振り向かせる効果はなかった。大谷のメジャーデビューでさえスポーツ新聞の記事でしかなかった。

 

そんな僕を野球に目覚めさせたもの、それは2022年の阪神の歴史的連敗だった。

 

2022年、矢野燿大監督率いる阪神はオープン戦から野球史上ありえない連敗からスタートした。9連敗スタートしたあと、1勝15敗1分けという壊滅的成績の中、矢野監督の「ちょっと時間いいですか」というネットミームになる言葉からインタビューが始まり、文字職人に書いてもらったサイン色紙を見せるという内容が、ネットで馬鹿受けし拡散されバズりまくったのだった。

 

つまりそれが理由。自分のネット上の視界には毎日阪神と矢野監督を弄り倒すワードが溢れ、とにかくネタにされやすい阪神に標準化されていた猛虎弁があわさり、野球に興味がないのに阪神一色となった。

 

あまりの連敗ぶりがネタにされたので、僕は気になってしまった。当初阪神の弱さがひどいので史上最大の負け数でシーズンを終えるのではないかと予想されていた。僕もそれはちょっとおもしろいな、歴史の中に身をおいてる気がするな、というわけで野球ファンなら皆がダウンロードしているアプリ「スポナビ」で勝敗をチェックし始めた。

 

今日は負けているな、今日は勝ったんだな、という具合に見ているうちに、試合中もスポナビで経過をチェックし始めた。スポナビは動画こそないが、ヒットを打った、ファウルだった、ストライクアウトなどの簡単なレポートは速報される。更にピッチングの位置や選手個別の情報も詳細に見れる。野球ファンのマストアプリである。そういう日が続いたのだが、やがて阪神は予想とは裏腹に勝てるようになり夏頃には上位3チーム、Aクラスに入れるようになり、もしかしたら優勝まで行けるんじゃないかという期待が持たれ始めた。

 

去年の夏、僕は北海道にバイク旅行に行っていたのだが、居酒屋で飲みながらスポナビTwitter阪神戦の具合をチェックする日々だった。それでも十分に楽しめたのだが、ネット配信はないかと探すと、阪神自ら「虎テレ」というアプリで甲子園の対戦と巨人阪神戦をすべて配信していることを知った。それ以降、僕は「虎テレ」で観戦するようになったのだった。

 

アウェー戦は見れないが、700円というリーズナブルな価格で見れるし、アプリなら映像を見なくても音だけでも移動中に楽しめる。全試合を見るとなるとスカパーの野球セットで4000円ほど払わないといけない。ちょっと価格差がひどいので「虎テレ」で我慢している。こういう例もある、ということだ。

 

月イチで飲みに行く友達が中学生の時から巨人ファンだと知って嬉しくなった。30年来の付き合いなのに巨人ファンだという記憶がなった。僕が野球に全く興味がなかったからだろう。

 

今年のWBCはものすごく楽しめたし、今シーズンの岡田野球で1位をギリギリで維持している展開も良い。ペナント折返しのオールスターゲーム中だが、1日目の阪神野手陣は、まあ予定通り冷えっ冷えである。

 

野球は面白い。まず実況だけでも楽しめる。ラジオ放送で成り立っている理由がわかるほど実況だけで展開が理解できる。ターン制だからずっと画面を見ている必要がない。疲れないのだ。投げる瞬間に合わせて画面を見ればいい。気楽だ。9回裏まで見ている必要もない。初回に点をボコスカ入れられたら見なくてもいいのだ。ながら見に最適だ。ほとんど週6日で夜からやっているのもいい。手持ち無沙汰なときはネットで野球配信を見ながらtwitterのリアクションを見るだけで球場にいる気分だ。正直暑いし、人が多いので球場に行く気はしないが、家にいてクーラー効きまくりの中でボーッとナイターを見るのは、なんというか、至福だ。ともあれ珍しい例だと我ながら思う。

 

オールスターゲームが終わればシーズンの後半が始まる。ひょっとしたら今年の10月頃には道頓堀に飛び込めるチャンスが来ているかもしれないのだ。それぐらい今のところの阪神には可能性がある。

 

野球はおもしろいよ、おーん。