フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

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作業を外注すると勉強になる

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ここ数ヶ月の間に何度か、自分でできないことを外注している。全然好きでなかったランサーズも使ったし、その後は個別にやりとりして発注するようにした。個人事業主に対して相当小さい作業を発注していたのだが、今までより大きい規模の作業を注文しようとしている。

 

まず費用が今まで払っていた額の10倍ほどを用意している。作業期間も長い。前回発注した人に話してみたら、得意分野でないということで断られてしまった。その人は感じのいい人で、会ったこともないけれど何度も発注したくなる。

 

とりあえずTwitterとかでも探してみたが、まず返事が来ない。@お仕事募集中とか書いていても、メッセージの返信が来ないとかがある。僕は相手の手間を考えて、予算や内容まで1メッセージで書いて投げていたが、これは良くないんじゃないか、と考え直すことができた。まず「お仕事募集中で間違いありませんか?」とワンプッシュしてみることが肝心だ。これは必須だと思った。いきなり挨拶と同時に予算と作業内容を送信すると、予算が合わなかった時にスルーされる気がする。そもそも実は募集していないとかもありえるのだ。

 

一方で利用する側として、返信が早い人がこれほど好印象だとは思わなかった。返事がイエスでなくても、すぐに返事をくれる人はまた相談しようという気になる。そういえば自分は返事とか意図的に無視するときがあったなあなんて反省した。と同時に返事をしたくない時って相手側に対しての何かしらの不満がある時だったなあとも思った。

 

発注される側も無茶振りだと思える要求をされるとイラッとするに決まっているので、返事が来なかったり遅かったりするのはこちらの不手際かな?と思うようになった。そして以前も発注したことがある人からのメールの返信を半日以上待っているので、やはり何かこちらの粗相があったのかと不安に思っている。

 

SNSで見つけた人に挨拶メールをまず送って、返事が来てから依頼内容と予算を送ると、数時間してお受けできないという素っ気ない返事がきた。そこでこの食い下がらない感じは、お怒りがでているなあと察して、丁寧に実際どれくらいの予算がかかるものなのか平身低頭して細かく出すようにメールを送ってみたら、僕の提示した額の4-5倍がやってきた。こりゃあ駄目だと思って参考になりました、と感謝を述べたのだが、他のフリーランスも話にならんと思って返事さえくれなかったのかもしれない。

 

ここでも仕事を受ける側のうまさというものがあらわれる。素っ気ない返事だけでなく、ウチはこれぐらいかかるんですよ、と言ってくれればありがたかったと思う。貧乏人は願い下げだとばかりの返信だと、仮にお金があってもここは発注せんぞ!となるだろう。ああ、これがコミュニケーション能力か、営業力か、と実感するのだ。そして僕はそれが苦手だから発注する側になって、儲けは物言わぬ一般ユーザから回収しているのだ。BtoBをしたくない理由だ。

 

そして、僕が今まで発注していた人は激安で引き受けていたんだということがわかった。とはいえ、その予算で引き受ける人がいたのだから、よそで5倍の値段を提示されても、よほどのクオリティかブランド力がなければ難しいと思った。

 

ランサーズは労働力ダンピングの権化と言われて、実力あるフリーランスからは嫌われているとは知っていたが、僕自身が激安ハイクオリティの人を引き当てていたことを知った。実際に初めての取引はランサーズ経由でやると安全だ。手数料はかかるが、小さい取引なら安い。副業だったり大学生の片手間だったりする人がいるので、やはり労働力ダンピングの権化なんだろう。

 

発注する側に回ると身銭を切るわけで、最終的に回収しなければ損するのは自分だ。だから慎重になる。そして値段こそ正義という真理を知ってしまうのだ。やっぱ安いは正義なんだなあと思う。TOYOTAが下請けをいじめまくるニュースを見ると義憤に駆られる自分だって、いざ一端の発注者になると嫌われ者の零細社長の精神が宿って、社会の歯車どもにはわからんのだ、という気になる。

 

これが続くと、育児休暇やうつ病患者にだって文句を言うようになるんだろうなあと実感がわく。強固な自民党支持者のできあがりだ。つまるところ資本主義のルールに則って利益確保を目標にし始めると、他人に対して冷淡にシビアになっていくんだろう。それは自分の良心をえぐり出すようだ。