フロイドの狂気日記

時は流れ、曲も終わった。もっと何か言えたのに。

PR

敦賀港と敦賀の街並み

PR

何年ぶりかの敦賀にやってきた。福井県にある港町でフェリーが出ている。お目当ては北海道苫小牧行きの船だ。8月いっぱい仕事をしながら北海道をバイクで回ることにした。以前から計画していたのだった。1ヶ月前に免許更新があって、車検も通したばかりだったので、なんというか運命じみたものを感じた。今こそが行くときだと。

 

敦賀駅

大阪からバイクで北上する。フェリーは夜の23時45分発なので、朝の内に出発し昼にはついた。夜の高速はしんどいし、トラブルがあっても困る。敦賀駅の周辺は小綺麗に開発されており、東京からの新幹線が600日後に開通するということで、工事が行われている。休日なのに人は少なく、みんなどこにいるんだろうと思わせた。

 

駅のロッカーに荷物を預けてカフェに入り小一時間暇をつぶす。このあたりの食事処は11時半以降の営業が多く、どこかで待つ必要があった。今日の予定は昼飯に敦賀港の魚を食べた後海水浴に行き、夜に飯を食べ、船に乗る、だ。

 

さて、敦賀港だぜ?

港町なんだから寿司がうまいに決まっている。google mapで検索して評価の高いところをピックアップ。駅から少し離れているが暑い中歩いていく。地方にありがちなんだが、やはり風景は日本的なコピペのロードサイドが続いた。アスファルト、つまらない住宅、コンビニやチェーン店などなど。大阪の郊外と大して代わり映えしない。汗だくになりながら、評価の高い寿司屋についたものの本日のランチはお休みとの張り紙が。仕方がないので、その近所にある評価の高そうな寿司屋に向かう。途中でお通夜をしている家の横を通り、お目当ての店の中に入ると高齢の大将に、今日は注文がいっぱいで12時からなんですよ、と言われる。11時半。日差しは強く、青空が広がっていて、ひたすら汗をかいていた。絶望しながらスマホを検索する。スマホのギガを消費しすぎて、制限されたスピードは遅く、イライラしながら評価点3.9のお店に行くことにした。炎天下を無駄に歩き、着いたお店は高齢の大将とその奥さんがやっていた。カウンターで食事を取っていた大将が僕に気づき、挨拶をする。僕はメニューを見る。ランチメニューは色々あったが、特上寿司3500円が気になる。旅行先で入る店では一番高いものを食べる癖がある。どうせ一期一会なのだから、その店のもっとも良いものを食べて帰りたい、と思うからだ。最近の無駄に高い報酬の仕事のおかげで金に余裕がある。

セットの刺し身

特上の寿司セット

お汁

寿司に刺し身か、と思わなくもなかったがそれは良かった。肝心の寿司は……肉厚ではある。が、わさび。これでもかというほどのわさび。わさびの味しかしない。サビ抜きで頼んだなら4点をつけただろう。なんとかわさびを取りながら鼻と目を痛めて食べる寿司は、僕の望んだものじゃない。お会計も外税だったので3850円とウーロン茶代(サントリーのペットボトルがそのまま出てきた)が400円ほど。4300円近い代金だったのは、なんだかなあと思った。わさび抜きで頼んでいたなら、許容範囲か。昔、大阪の北新地で6000円の寿司ランチセットを食べたことがあるが、後2000円追加してもそちらのほうが満足度が高かったなあ……と思った。

 

昼も過ぎたので別のカフェに入って一息つけた。この炎天下でバイクに乗りたくないなあと思いつつも、毎年一度は必ず行く海水浴を済ましてしまいたいという気持ちもあった。億劫になりながら駅の無料駐車場に戻る。敦賀駅の自転車とバイクの駐輪場は無料なのだ。これは素晴らしい。そして水晶浜に向かった。

 

水晶浜、これは7-8年前だかに行ったことがある海水浴場でそれはもう透明度の高い広い砂浜が広がっている。その時は平日だったのか夏の終りだったのか、とにかく人が少なくて泳ぎやすいという印象があった。しかしこの日は人、人、人。駐車場にも車がたくさん。カフェの店員によると地元民は行かないらしい。

水晶浜

家族連れが多く、至るところに子供がいた。この海だけを切り取ると日本に少子化などないかのようだ。陽キャっぽい若者集団も多々いたが、それよりも家族連れだ。僕は黙々と泳いだり、日光浴を楽しんだ。一年に一度海水浴をするのは単に海が好きなだけではない。アトピー性皮膚炎のためだ。医者は日差しは皮膚によくないという。日光は皮膚癌の原因であり、日差しを浴び続ける仕事をする人は老けるのが早く、シミ・そばかすの温床。が、日焼けした後の皮がめくれた皮膚はアトピーがマシになった経験から海水浴にくる。どうせデスク仕事で日差しなどほとんど当たらないし、年に一度くらいなら問題あるまい。3時間はたっぷり日差しを浴びて、身体中が赤くなる。客も徐々にはけていく頃合いに僕も駅に戻った。

 

5時頃、駅のロッカーから荷物を出して食事場所を探す。どうしてもうまい鮨が食べたかった。敦賀に来てまで、大した魚じゃなかったな、などという記憶を残したくなかった。敦賀には地元では有名な「まる勘」という寿司屋があった。評価も高く値段も高いみたいだ。昼の経験に懲りて電話をすると、席はいっぱいだと言われた。どうやら人気店らしく予約しないと難しいようだった。そこで別の店を探す。

見つけたのは「弥助寿司本舗」

【公式】敦賀で寿司屋をお探しなら福井県敦賀市弥助寿司本舗へ

 

結論から言えば、ここはうまい。まさしく当たりの店だ。

 

 

 

おまかせで頼む。大将がいろいろと握ってくれる。この辺で取れたやつですよ、と言って握ってくれる。カウンターのスペースに一貫ずつおいてくれるタイプの店。これをやる店は自信のある証拠だ。どれを食べてもうまい。わさびも丁度よい塩梅で入れてくれる。これだよこれ。茶碗蒸しも具だくさん。やはり港町の寿司はこうでないと。敦賀はうまかった、この記憶が刻まれる至福。田舎びいきの僕は、なるべく良いイメージを持って帰りたいのだ。腹いっぱいになったところで駅に戻って敦賀港へと向かった。

 

フェリーに乗ってからの北海道の旅は、また次のエントリで。

敦賀良いとこ一度はおいで。