昔から人混みは嫌いだが、歳を取ってなおそこにいる苦痛を鮮やかに感じるようになった気がする。大阪の中心街に行くと平日だろうとそこそこ人がいるんだけれど、そこを横切るのにつらい気持ちにになることが多い。休日ともなると僕の基準では酷い込み具合なのだが、みんな整然と歩いている。
最近ではそういう場所に行くと呼吸が深くなり、ふぅ~と息を吐いたあとに
オギャア!アギャギャアァ!
と叫びたくなるわけだ。
もちろん叫んだこともないし、叫ぼうとは思わないのだが。
心のなかで通行人にオギャア!アギャギャアァ!とやりたいと思っている。
想像すると恐ろしい。突然中年男にオギャア!アギャギャアァ!やられる恐怖は表現しきれない。きっとすぐさま駅員やらポリスメンを呼ばれて説教を食らうんだろうと思う。Twitterとかにもヤバいやつ情報として投下されるだろうし、何度かやれば渾名の一つでももらえるだろう。
オギャア!アギャギャアァ!おじさんとか。
大阪の人混みでさえこれなのに東京とかで暮らしている人たちは正常でいられるのだろうか。基本リモートワークなので人混みに入ることはあまりないので、満員電車に毎日乗って発狂せずに暮らしている人達が信じられない。
いや、あるいは毎日人混みで過ごすと慣れるのかもしれない。
今年の数ヶ月田舎で暮らして、大通りには車以外通らないみたいな場所にいると日本の都市部の過密さに実感がわく。しかし独身者が暮らしやすいのは都市部で、透明になって生きるのは過密シティしかないことに少し失望する。
そういう不満とも言えない不満を抱えつつもオギャア!アギャギャアァ!しないで暮らしていくしかないのです。